サンパウロ市市長のジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)が、現サンパウロ州副知事のマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)に対抗する形でサンパウロ州知事選に出馬することで、PSDBから離党者が続出するなど、同党に波紋が広がっている。2日付エスタード紙や3日付フォーリャ紙が報じている。
企業家出身でPSDBでの党員歴が浅いドリア氏は、16年のサンパウロ市長候補の予備選でも党内で物議を醸した。この予備選で敗れたアンドレア・マタラゾ氏は、25年所属した同党を離党した。
そして16年には党の創始者フランコ・モントロ氏の一族であるレオ・コウチーニョ氏、1カ月前には同じく創始者のマリオ・コーヴァス氏の息子で市議のコーヴァス・ネット氏(ドリア氏の後任としてサンパウロ市長になるブルーノ・コーヴァス副市長の叔父)が離党した。
サンパウロ州議会からは、州政府リーダーのバロス・ムニョス氏ら、4人の同党議員が、6日のアウキミン氏の知事辞任にあわせるように離党する。さらにもう1人が離党することになりそうだという。辞める議員の1人は「党の威信などに関係なく、アウキミン氏に忠実だったフランサ副知事を支持すべきだった」と話している。
また、同党サンパウロ州支部の大物、アルベルト・ゴールドマン元知事やアマウド・マデイラ氏も反ドリア派の代表だ。
一方、ドリア氏の側近たちは「彼はPSDBにこれまでなかった新風を巻き起こしている」と擁護する声を挙げている。