【既報関連】10月に行われる大統領選挙に出馬するため、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(社会民主党・PSDB)が6日に退任し、マルシオ・フランサ副知事(ブラジル社会党・PSB)にその座を譲った。
アウキミン氏は、2011年に自身2度目のサンパウロ州知事の座に就き、14年の選挙でも再選した。退任するまでの7年間でサンパウロ州の予算の状況は悪化したと6日付現地紙が報じた。
サンパウロ州ではこの7年間で、負債の割合と、現役公務員の給与や定年後の公務員への年金などの人件費が増大した。年金を含む社会保障費の増大は、インフラ整備や教育など、あらゆる分野で、投資のための資金が圧迫される事態を招いた。
アウキミン氏が2011年にサンパウロ州知事に就任する前の、2010年末時点のサンパウロ州の負債額は歳入の152・9%だったが、17年末現在の負債額は歳入の170・9%に増えた。
アウキミン州政は、2011年から14年に、ジウマ前大統領(労働者党・PT)政権が出した「インフラ整備の資金調達に公的銀行を頼るべし」の号令に従い、負債を拡大させた。また、14~16年の景気後退も州財政を圧迫した。
2017年には不況を脱出したものの、州の歳入額は4年前の13年よりも7%少なかった。また2010年の人件費は歳入の45・8%だったが、17年は51・2%に増えている。
国庫庁は、サンパウロ州での人件費の比率は全国平均レベルで、10年から16年の間の人件費上昇率が最も小さかった州の一つだったとしているが、サンパウロ州財政は、年金の支払いに苦しんでおり、現在の社会保障費は、教育部門の支出より大きい。
離任直前に公共交通=機関の追い込み工事も
アウキミン前知事の離任に合わせて、サンパウロ市やサンパウロ市大都市圏では、地下鉄や都電(CPTM)の新線開通、新駅開業が相次いだ。3月30日にはサンパウロ市とグアルーリョス空港とを結ぶCPTM13号線が開通し、4月4~6日には、3日連続で地下鉄4、5号線と、モノレールの15号線で計6駅が開業した。
駅によっては、一部の出入り口など、全ての工事が終わらないままに開業しており、「選挙を意識して、離任直前に無理やり開業か?」との批判も出たが、アウキミン氏は、「選挙目的ではない。任期終盤で駅が出来上がってくるのは当たり前の事だ。私の離任後に出来上がって開業する駅だって沢山ある」と語った。