【既報関連】ブラジル北端のロライマ州がベネズエラ難民急増問題で悲鳴をあげる中、5、6日に、計279人のベネズエラ人が空軍機で移送されたと5、6日付ブラジル国内紙や同サイトが報じた。
5日に移送されたのは116人で、ロライマ州都のボア・ヴィスタをブラジリア時間の9時34分(現地時間は8時34分)に出立。午後1時にサンパウロ州グアルーリョスの空軍基地に到着した。
116人はバスに分乗し、83人がサンパウロ市所有の受け入れセンター(CTA)に、29人が民間の収容施設に、4人がサンパウロ州政府管轄の施設に各々運ばれた。
また、6日朝9時30分(ブラジリア時間)には、163人を乗せた空軍機がボア・ヴィスタを発った。この日の移送先は2カ所で、ブラジリア時間の午後1時(現地時間の正午)にマット・グロッソ州クイアバ市に到着した70人は、バスで民間施設に運ばれた。
残る93人はグアルーリョス市の空軍基地に到着後、バスでサンパウロ市まで移動。サンパウロ市とサンパウロ州の所有施設に収容された。
これら279人は皆、本国の政治的、経済的、社会的な危機を逃れてブラジルに入ってきており、難民申請も行っている。医療サービスや雇用、生活の質向上を願ってブラジルに流入してくる難民は1日400~450人といわれ、ボア・ヴィスタだけで推定4万人のベネズエラ人が住んでいる。
ロライマ州からの難民移送のためには、3月に出た暫定令で計上された1億9千万レアルの特別予算が使われる。
なお、ロライマ州では現在、麻疹(はしか)が流行中で、本国で流行しているジフテリアも流行の可能性がある。今回移送された279人は、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)や風疹、黄熱病、破傷風、百日咳も含めた予防接種を受けており、就業の意思なども明確に表明している。
なお、サンパウロ市は既に、同市ではベネズエラ人300人を受け入れるとの意向を表明しており、今後も難民移送は続く。
ロライマ州には現在、ボア・ヴィスタに5カ所、国境の町パカライマに1カ所の難民収容施設があるが、いずれも満杯なため、州都南部では近日中にもう1カ所、収容施設が新設されるという。