在サンパウロ総領事館の関口ひとみ首席領事(59、熊本県)がマナウス総領事に――日伯修交120周年の2015年に就任し、同総領事館100年の歴史の中で、関口さんは「初の女性首席領事」となった。そして今月末からは、在マナウス日本国総領事館の総領事に就任する。今度は「ブラジル初の女性日本国総領事」だ。関口さんは今月6日に来社し、日系社会への感謝を述べた。
熊本県で生まれ、両親に連れられて3歳でブラジルへ渡った関口さんは、「母や兄弟もこちらに住んでいます。私自身も日系社会に育ててもらったようなもの」と当地への強い思い入れを見せた。
サンパウロ州立総合大学(USP)文学部を卒業後、当地総領事館の現地採用を経て、日本国外務省に本省採用された。06年からベレン、ブラジリア、リオ、レシフェと主要な総領事館で仕事をしてきた。今回赴任したサンパウロは、実に数年ぶりだったとか。
関口さんは、サンパウロ市日系社会の活気に「明るい未来を見た」とのこと。日系行事に参加する度に団体の活気を感じたそうだ。「団体数の多さや大きさ、活動は多岐に渡る。さすがサンパウロ、と思いました。世代交代が進み後継者不足が囁かれているが、行事に参加すれば若い人の活躍が見られた」と振り返った。
「どの団体、参加する個人も日本への強い思いを持ち、一生懸命に活動している」と語った。
関口さんは日伯修交120周年の直前に在聖総領事館に赴任、館員の一人として翌16年のリオ五輪では日本代表チームの合宿地の手配など邦人保護業務に走り、昨年はジャパン・ハウスの開館準備に飛び回った。日本移民110周年を直前に控えた今月、今度はマナウス総領事館に向う。しかも、来年はアマゾン移住90周年という節目の年だ。
今回久しぶりに戻ったサンパウロ市では、コロニア行事に出席した際に、かつての知り合いにもたくさん再開したという。「亡くなった父の友人から話を聞いたり、ノスタルジックな場面も」と振り返る。
サンパウロ市での約2年半を総括し、「とにかく日系社会の方々にお礼を申し上げたい。皆様から聞いた話は私を豊かにしてくれた。私を忘れないで時々連絡してくださいね」と感謝を述べた。
来年のアマゾン移民90周年に関し、「ぜひ、サンパウロ州や南の方でも一緒に祝って下さい。マナウスでお待ちしております」と微笑んだ。