サンパウロ州立大学が、ジュアゼイロ・ド・ノルテ大学、ABC医学大学、英国のオックスフォード・ブルックス大学と共同で行った調査で、音楽が高血圧の治療効果を高める可能性が指摘された。
実験は2日間かけて行われた。1日目は投薬後に1時間音楽を聴きながら、脈拍の変化を記録する。2日目は、投薬後にイヤホンをつけたが、音楽は聞こえないという状態で脈拍を測った。
これによると、音楽を聴いた場合は脈拍数が減り、血圧も下がったという。実験で使われた音楽は、誰もがよく知っており、抵抗も少ない、ポップ歌手のアデーレとエンヤの曲だった。同種の実験は2012年から繰り返されており、前回の実験では、クラシック音楽が使われている。
コーディネーターを務めたサンパウロ州立大学のヴィトル・エングラシア・ヴァレンチ教授によると、同様の効果は動物を使った実験でも明らかにされており、音楽は薬効成分が腸で吸収されるのを助けていると考えられるという。
ヴァレンチ教授は、音楽は心臓疾患や高血圧の患者への投薬効果を高めるだけではなく、これらの病気が進行するのを予防する効果もあると考えており、「心臓疾患や呼吸器系疾患を起こす可能性がある患者の場合は、薬と音楽を組み合わせると、予防的効果も含め、より良い結果を期待できるはずだ」と語っている。(9日付アジェンシア・ブラジルより)