【既報関連】ブラジルのインフラ事業に積極的に進出している中国企業の中国交通建設股份有限公司(CCCC)が、ブラジル南部サンタカタリーナ州のバビトンガ港穀物集積ターミナル(TGB)経営権獲得にも食指を動かしていると、9日付現地紙が報じた。
サンタカタリーナ州北部のサンフランシスコ・ド・スル市に建設中のTGBは、10億レアル規模の投資が必要なプロジェクトだ。
CCCCは昨年、WPR社と共にブラジル北東部のマラニョン州都サンルイス市の多目的港(民営)の建設と運営に携わる入札に参加し、運営権の51%を獲得した。CCCCがTGBも手中に収めると、同社はブラジルの、南北二つの戦略的輸出拠点を手に入れる事となる。
全世界の総売り上げ700億ドルを誇るCCCCは、ブラジル進出に並々ならぬ野心を持っており、サンルイス港での事業落札に先立つ16年には、建設会社コンクレマット社の株式の80%を取得。サンパウロ州とブラジル南部3州を走る貨物鉄道網のマーリャ・スルへの部分参画にも興味を示している。マーリャ・スルはTGBから3キロの地点を走ることになっており、両者が一体化すれば、強力な農作物輸送システムとなる。
TGBはブラジル人企業家アレシャンドレ・フェルナンデス氏の率いるアネッサ・インフラ投資ファンドが80%、中糧集団有限公司(Cofco)が20%の権利を有している。CCCCの狙いは、アネッサ出資分の51%分の資金を出すことだ。
現在は、「フェルナンデス一族はCCCCとの契約に前向きで、正式決定はCCCC次第」との情報と、「別の投資家もTGBを狙っている」との情報が錯綜している。
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