《ブラジル》アウレーリオ最高裁判事が合憲判断の審理を延期=訴訟元PENの見直し要請で=ルーラ釈放につながる?=モロ氏はローザ判事を賞賛

最高裁のマルコ・アウレーリオ・メロ判事は10日、11日に最高裁大法廷にかけるよう求める意向だった、全国環境党(PEN)が2016年に提出した「2審有罪での刑執行は合憲か否か」の訴えの審理を5日間差し止める判断を下した。この審理は、結果いかんで、収賄罪などで7日に服役を開始したルーラ元大統領に有利になるため、PEN自体がその可能性に強い難色を示している。11日付現地紙が報じている。
アウレーリオ判事は、4日に行われた、2審有罪後の逮捕を逃れるためにルーラ元大統領が出していた人身保護令(HC)の審理でも、「HCを適用する」派の中心的役割を果たし、投票結果5対6で敗れた際にカルメン・ルシア長官を強く批判していた。
そのため、1週間後の11日に行われる全体審理で、PENをはじめ、計3通の訴状が出されていた「2審有罪での刑執行は合憲か否か」の審理を行うよう、要請するとの見方が強かった。
また、PENの弁護士のアントニオ・カルロス・アウメイダ・カストロ氏(通称カカイ)も、ルーラ氏がHC適用に失敗した翌日の5日、「2審有罪で受刑中の全受刑者の釈放を求める」訴状を出していた。
だが、PEN党首のアジウソン・バローゾ氏は9日、「ルーラ氏釈放に繫がることは、私たちの訴えの本意ではない」と反発。同党は10日にカカイ氏を党担当の弁護士から外すと共に、訴状の取り下げも要求した。
アウレーリオ氏が同件の審理を5日間差し止めたのは、訴状の取り下げは出来ないといわれたPENが、担当者が代わったばかりだから、訴状の内容を見直すために時間が欲しいと要請したのを受けたものだ。その後の動きは、PENが新たに指名した弁護士たちが訴状の内容をどう理解し、最高裁にいつ、何を求めるかにかかっている。
「2審有罪での刑執行は合憲か否か」を審理する可能性はまだ残されているが、4日にルーラ氏のHC適用を認めない判断を行った直後に、それを覆す判断を最高裁が出すかは微妙なところだ。それは、適用に反対した6人の判事中5人は「2審有罪で刑執行」に強い賛意を示しており、「控訴の可能性がなくなって受刑」派だったローザ・ウェベル判事も、16年10月に出た「2審有罪で受刑」との判例をわずか1年半で覆すのは問題がある、との見解を示しているためだ。
また、ラケル・ドッジ検察庁長官も、2審有罪後の刑執行を擁護する意見書を改めて提出。同長官は3日にも、「4回の裁判を経なければ刑が執行できないならば、司法制度は形骸化する」と警鐘を鳴らしている。
ルーラ氏に刑執行命令を下したパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事は10日、リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレで行われたイベントでの講演でローザ判事の判断を賞賛し、「最高裁はブラジルを司法の退化から救ってくれた」と述べている。