ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》アウキミン氏の汚職疑惑がLJ作戦外に=優先度低い選挙法違反に=高等裁が選挙地裁に移管=O社からの不正献金容疑

《ブラジル》アウキミン氏の汚職疑惑がLJ作戦外に=優先度低い選挙法違反に=高等裁が選挙地裁に移管=O社からの不正献金容疑

3日のアウキミン氏(GOVESP)

3日のアウキミン氏(GOVESP)

 高等裁判所は11日、連邦検察庁の勧めに従って、大統領選出馬のために6日にサンパウロ州知事を退任したジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)に対する捜査案件を、サンパウロ州選挙地裁に回すことを決めた。これにより、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)によって生じたアウキミン氏への疑惑は、サンパウロ州のLJ特捜班が扱う一般犯罪捜査から外され、優先度の低い選挙法違反に問われることになった。12日付現地紙が報じている。

 アウキミン氏に対する疑惑は、オデブレヒト社(O社)関係者3人がLJでの報奨付供述で、2010年、14年のサンパウロ州知事選の際、義弟のアデマール・セーザル・リベイロ氏や、部下でサンパウロ州開発局長に指名されたばかりのマルコス・モンテイロ氏を通じて、計1070万レアルの不正献金を行ったと供述したことに基づくものだ。
 エジソン・ファキン最高裁判事はO社の供述内容を対象毎に分け、地裁や高等裁にも担当を振り分けた。アウキミン氏に関する供述は、同氏が知事だったために高等裁の管轄となり、2017年11月に捜査が開始されていた。
 だが6日にアウキミン氏が知事を退任し、要職者の特権(フォロ・プリヴィレジアード)を失ったため、サンパウロ州のLJ特捜班は、サンパウロ州地裁管轄で一般人として扱えるよう、連邦検察庁にできるだけ早期の振り分けを要請していた。
 だが、検察庁は、アウキミン氏への疑惑は知事選での裏金(カイシャ2)疑惑だから、LJ関連のサンパウロ州地裁の管轄とはせず、選挙裁判所に回すべきだと判断した。
 高等裁のナンシー・アンジリッジ判事はその薦めを受け入れ、アウキミン氏に関する案件をサンパウロ州選挙地裁に回す手続きを行った。これでアウキミン氏はLJの容疑からは外れ、選挙地裁で「選挙法違反」に問われることになった。
 捜査の内容は守秘事項(シジーロ)のため、O社関係者がデラソンで指摘した不正献金が選挙裁判所に届け出てあるのかや、疑惑の資金の流れそのものが捜査対象から外れるのか否かまでは明らかにされていない。
 アウキミン氏は11日昼、自身に対する疑惑に関して、「(汚職や収賄ではなく)選挙関係の告発だ」と答え、平然と受け止めていた。
 アウキミン氏同様、10月の選挙出馬のために退職し、LJの捜査対象となっている元知事は、ベット・リッシャ氏(PSDB、パラナ州)、マルコーニ・ペリーロ氏(PSDB、ゴイアス州)、ライムンド・コロンボ氏(社会民主党、PSD、サンタカタリーナ州)、コンフーシオ・モウラ氏(民主運動・MDB、ロンドニア州)の4人だ。検察庁はこれら4氏についても、各々の疑惑に応じて、地裁または選挙裁に管轄を移転するよう求めている。