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《ブラジル》今年のGDP予測引き下げ続々と=選挙と貿易戦争リスクを懸念

エドゥアルド・グアルジア財相(José Cruz/Agencia Brasil)
エドゥアルド・グアルジア財相(José Cruz/Agencia Brasil)

 長期不況が16年末で終わり、17年に回復の兆しが見えたブラジルの景気は、18年は再び成長軌道に乗ると期待され、今年の国内総生産(GDP)成長率も当初はプラス3%が予想されていた。しかし、経済関係者の間にこの予測を下方修正する動きが出ていると、12日付現地紙が報じた。
 ブラジル紙はその主な理由として、選挙リスク、米中間で高まる貿易戦争に伴うリスク、1、2月の経済指標が期待通りでなかったことの三つをあげている。
 経済分析会社のMBアソシアード社主席経済分析員のセルジオ・ヴァーレ氏は、「大統領選出馬予定者の中には経済に疎い人物も含まれており、ブラジル経済にとっての懸念材料」と語る。同社は今年のブラジルGDP成長率を3・5%と予測していたが、3%程度に留まる可能性を指摘している。
 昨年末は、国際市場が好況で、経済指標も予想を上回る数字が出ていたため、今年の予想は楽観的なものが大勢だった。しかし、3月に米国のトランプ政権が鉄鋼、アルミ関税を引き上げたことで、中国がそれに反発して関税引き上げを宣言。米中両国間の〃貿易戦争〃とも言える状況が、国際市場に影を落とした。
 また、年明け1月、2月のブラジル国内経済情勢の指標は芳しくない。工業生産は、1月は―2・2%で、2月も0・2%の増加に止まった。
 エドゥアルド・グアルジア新財相は11日、今のところ、同省による3%の成長予測を見直すつもりはないとしながらも、「見直しの必要があるなら、それを躊躇する理由はない」と語った。

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