《ブラジル》労働者党と連邦政府が最高裁に圧力=「2審有罪で刑執行」判断で=モラエス判事が標的に=パロッシの釈放は却下に

ルーラ元大統領の逮捕と受刑を受け、労働者党(PT)と連邦政府が、最高裁に対して「2審有罪後の刑執行」に反対するよう圧力をかけはじめていると、13日付現地紙が報じている。
「2審有罪で刑執行か否か」の判断は現在、最高裁でも意見が分かれている議題で、16年10月の同件に関する判事投票と、4日のルーラ元大統領の人身保護令適用か否かの投票は、どちらも6対5と接戦となった。
そこでPTは、4日の審理前から行っていた、最高裁判事の考えを覆す方策を強化しはじめたという。現地紙によると、PTサンパウロ州支部長で10月のサンパウロ州知事選候補でもあるルイス・マリーニョ氏と、ルーラ政権で大統領府事務局長を務めたジルベルト・カルヴァーリョ氏が12日、アレッシャンドレ・デ・モラエス判事、ジウマール・メンデス判事と会合を行ったという。
PTが狙いをつけているのはモラエス判事だ。同判事はテメル大統領時代の法相で、最高裁への指名もテメル氏によるものだったことから、当初は「政治家寄りの判断をするのでは」と目されていた。だが、判事就任後は法相時代同様、検察や連邦警察寄りの判断を多く行い、4日もルーラ氏の人身保護令適用に反対票を投じた。
政治家や企業家に人身保護令を大量に適用させたことで国民からも非難され、4日の裁判時も「刑執行は3審有罪後」という見解を表明したメンデス判事が、この前日にテメル大統領と会食を行ったことも確認されている。メンデス判事はその席で、冗談がてら、「モラエス氏を国防相に指名すれば、最高裁から外すことができる」との発言も行ったという。
「2審有罪で刑執行」の問題はルーラ氏に限ったことではなく、政治家全体の問題でもある。できるだけ逮捕を逃れたい彼らとしては、ブラジル弁護士会(OAB)が支持する「控訴の可能性が消滅した時点で刑執行」で恩恵を受けたいと願っている。
テメル大統領自身は現時点で裁判は抱えていないが、長年の友人2人が港湾条例にまつわる贈収賄工作容疑で逮捕、告発されており、大統領就任後3度目となる、下院での告発受け入れか否かの投票が避けられそうにないなど、身辺は穏やかではない。
そんな中、最高裁では12日、ルーラ政権の財相でジウマ政権でも官房長官を務めたPTの元要人、アントニオ・パロッシ被告が提出した、「拘束期間延長」との観点からの釈放を求める訴状に関する投票が行われ、4対7で却下された。反対票にはモラエス判事のものも含まれ、メンデス判事は賛成だった。同被告は昨年7月に1審で有罪判決を受けたが、16年9月の予備拘束後の出獄は認められていない。最高裁は11日も人身保護令適用を却下しており、パロッシ被告は2日連続の敗訴となった。