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《ブラジル》国際通貨基金が成長予想引き上げる=それでも国内の予想下回る2・3%

 国際通貨基金(IMF)が17日、今年のブラジルの国内総生産(GDP)は2・3%成長する見込みと発表した。
 この数字は1月に発表した1・9%を0・4%ポイント上方修正したものだが、世界または新興国の平均成長率より低い数値となっている。IMFは、世界経済は今年も来年も3・9%成長と予想している。また、新興国の成長率は、今年4・9%、来年5・1%と、若干だが上方修正した。
 ラテンアメリカとカリブ海諸国の成長率も、今年2%、来年2・8%と各々、上方修正された。
 IMFはブラジルの2019年のGDP成長見込みも、2・1%を2・5%に上方修正した。
 IMFは新たな予想発表時、「ブラジルは2015―16年の深刻な景気後退期を乗り越え、2017年は1%の成長を遂げた。今後は民間消費やより積極的な投資により、2018年には2・3%、2019年も2・5%の成長を遂げるだろう」と述べた。IMFは今回の発表に際し、17年の成長率を1・1%から1%に下方修正した。
 中期展望はもう少し緩やかで、人口の高齢化や生産性の伸びが行き詰まる事で2・2%の成長に止まるとの予想が打ち出された。
 IMFは、長期展望に立ってみた場合、ブラジル政府の財政健全化には社会保障制度改革が不可欠と強調。また、生産性改善のための税政見直しなども提言した。
 また、今年が選挙年である事で、政治情勢が不安定な事が経済にも影響する可能性を指摘。政治面での先行き不透明感が改革を困難にしたり、議会での審議日程の調整を難しくしたりする可能性があるとも忠告した。
 同様の忠告は、今年大統領選が行われるメキシコやコロンビアに対しても発せられた。
 IMFはブラジルの失業率についても、18年は11・6%、19年は10・5%で、当面は高止まりと見ている。ただ、昨年の12・8%は下回る見込みだ。
 また、ブラジルのインフレ率が史上最低レベルとなっている事や、2016年10月は14・25%だった経済基本金利(Selic)が6・5%まで落ちた事に見られるような、通貨政策の柔軟性にも言及した。
 ただ、IMFの成長予測は、ブラジル国内の金融関係者らが予想する成長率よりも低い。16日に発表された中銀の市場調査によると、金融関係者らは、今年のGDP成長率を2・80%から2・76%に下方修正した。同調査では3週連続で今年の成長見込みが下方修正されたが、来年の成長率は3%との予想を保っている。(17日付G1サイト、アジェンシア・ブラジルなどより)