国民の過半数が「刑事裁判の第2審で有罪判決が下されたら、たとえ上告中でも禁錮刑などの刑罰を執行をすべき」という考えを支持しているが、「元大統領ルーラ被告の汚職容疑での逮捕、その後の取り調べ、裁判の進行と、2審有罪判決後に始まった服役」に関する国民の評価は「支持」と「不支持」が拮抗していたことがダッタフォーリャの調査でわかった。また、ルーラ氏や現状の政界について国民がどのように思っているかについて、15、17日付現地紙が報じている。
ダッタフォーリャが行った調査によると、「2審判決でも有罪なら刑の執行を開始すべき」は国民の57%が支持しており、「そうは思わない」の36%を20ポイント以上引き離している。
しかし、「ルーラ氏の逮捕は妥当か?」という質問となると、「妥当」が54%、「そうは思わない」が40%と、その差が縮まった。
その理由の一つは、元大統領ルーラ氏の実績による人気のようだ。たとえば、「今年の統一選で、ルーラ氏が正式に推薦する候補を支持したい」と答えた人が、「絶対にそう思う」が30%、「多分そう思う」が16%で合計すると46%もいる。
それに対して、民主社会党(PSDB)のカルドーゾ元大統領が正式に推薦する候補を支持するか質問した場合、「そうしたい」が31%で、ルーラ氏と比べて15ポイントも落ちた。「現職のテメル大統領(民主運動・MDB)が推薦する候補」に至っては、「支持する」が12%まで落ち、「投票しない」が86%まで増える。
この結果から推測されるのは、「『犯罪を犯した政治家は皆罰せられるべき』と大半の国民が考えている」ということで、ルーラ氏や労働者党(PT)だけが悪者になることを良しとしない人もいるようだ。
とりわけ、前回の大統領選挙で、ジウマ前大統領の副大統領として、コンビを組んで立候補した身でありながら、ジウマ氏を裏切る形で大統領となった上、自身の民主運動(MDB)から汚職捜査ラヴァ・ジャット(LJ)作戦の捜査対象者が出ているテメル大統領への反感は強い。いくばくかの景気回復という実績も全く国民の支持を得るには不十分で、それはテメル自身が再選を目指してMDBから立候補した場合でも、メイレレス元財相がMDB候補だったとしても、支持率は1%と散々な結果だった。
国民の6割近くが、7日の逮捕によって「ルーラ氏の大統領選出馬は不可能」と考えている。また、「逮捕、服役中の身でも出馬する」と考える人は25%を割っている状況にもかかわらず、大統領選での支持率は今も31%を維持しており、多くの国民がルーラ氏の立候補を諦めきれない心境であることがうかがわれる。
今回の調査では、PTがLJ作戦を批判しても、84%もの人が今後の捜査継続を支持しており、反対する人は、ルーラ氏の支持率の半分にも満たない12%に過ぎないことも判明した。