キューバでは19日より、カストロ一族以外では初となる、ミゲル・ディアス・カネル氏を評議会議長とする新政権がはじまった。19日付ブラジル国内紙が報じている。
1959年のキューバ革命以来、同国はフィデル・カストロ氏と弟のラウル氏の2人のみが国を統治してきた。だが、ラウル氏も86歳となり、革命時の主要メンバーも高齢となったことで世代交代の必要性が報じられていた。
ディアス・カネル氏(57)はラウル氏の推薦を受け、18日の議会での選挙に唯一の候補者として立った。3月の選挙で選ばれた議員605人は全員、賞賛と共に、彼を承認した。
また、副議長5人、書記1人、評議会議員23人も、同時に選出、承認された。
「世代交代」と国際的には強調しているキューバだが、ディアス・カネル氏は共産主義体制の強い信奉者として知られ、国内の闇市場の取り締まりも厳しく行うなど、内部では強硬派として知られている人物だ。
ラウル政権末期の同国は従来よりも開放的な路線をとっていたが、最近はベネズエラのマドゥーロ政権を支持し、ルーラ元大統領の逮捕を批判するなど、社会主義色の強い言動を行っていた。