昨年、「JBSショック」でブラジル全土に騒動を巻き起こしたJ&F社主のジョエズレイ・バチスタ氏が、同氏からの収賄疑惑で被告人になったばかりのアエシオ・ネーヴェス氏に対して、別件の贈賄を行っていた疑惑を報告していたことが判明した。20日付フォーリャ紙が報じている。
フォーリャ紙によると、その贈賄は、同氏が昨年5月にアエシオ氏とテメル大統領を相手取ってJBSショックを巻き起こした後に、検察庁に提出された領収書の中のひとつで確認された。
その領収書には「広告サービス代」と書かれており、それは「ジョルナル・ダ・マニャン」という番組に対して毎月支払われていた。
この番組は、アエシオ氏が運営者の一人として名前を連ねていたラジオ局「アルコ・イリス」の番組のひとつだ。この局はジョーヴェン・パン局の傘下にある、
その支払は15年から17年にかけて行われており、計16枚の領収書の支払総額は86万4千レアルだった。
通常の番組スポンサー費としてなら問題はないが、その一方で同じ頃、アエシオ氏が同局の件に関して不可解な動きをしていた。それは、16年に、同氏が所有していた同局の持ち株を660万レアルで実姉のアンドレア氏に売却したことだ。
14年から15年にかけての持ち株価格は70万レアルだったが、16年にアエシオ氏が資産申告したときの持ち株価格は800万レアルに膨れあがっていたという。
これを怪しんだ検察庁がジョエズレイ氏に尋ねたところ、同氏は「(アエシオ氏に)毎月5万レアルを払っていた。それは、14年に大統領選に出馬し、18年も出馬するであろう上院議員と良い関係を保ちたいがためだった」と語っていたという。
なお、ジョエズレイ氏は検察庁に「5万レアル」と申告しているが、領収書に記載されていた正確な額は5万4千レアルだった。
この額は、JBSの口座から、ベロ・オリゾンテ市の富裕地区サヴァッシにあるイタウ銀行のラジオ局名義の口座に振り込まれていた。最初の支払は15年7月で、最後は17年6月。つまり、ジョエズレイ氏がアエシオ氏の200万レアルの贈賄を録音証拠と共に暴露した翌月まで振り込まれていたことになる。
この200万レアルの収賄疑惑により、アエシオ氏は17日に最高裁から被告人として扱われたばかりだ。
ジョエズレイ氏が検察庁に提出した数々の証拠は生きてはいるものの、元検察庁検察官が報奨付供述作成に関与した疑いが生じたため、ジョエズレイ氏への報奨は破談となり、逮捕もされた。