アマパー州科学調査研究所(Iepa)が行った調査によると、同州内の全ての川から採取された魚から高濃度の水銀が検出されたと18日付G1サイトが報じた。
Iepaによると、水銀濃度は、魚の身1グラムにつき0・5ミクログラムという世界保健機関(WHO)の基準の10~20倍に達していた。汚染が特に酷いのは、アラグアリ、ジャリ、オイアポケ、アマパー・グランデ、カシポレーの各河川だという。
調査は最初、金採取人(ガリンポ)達が働く地域中心に行われたが、その後、対象が州内全域に拡大された。住民もよく食べる魚が高濃度の水銀で汚染されていれば、多くの住民が水銀中毒で苦しむ可能性が高くなる。
水銀汚染で思い出されるのは水俣病だ。水俣病の主な症状は、四肢や口周囲の異常感覚、触覚や痛覚の低下で、感覚の低下は体表面くまなく現れるという。
これらの症状は、メチル水銀によって大脳皮質に障害が現れた結果で、小脳に障害が起これば、四肢の運動時や話す時の口の円滑な運動を欠く、運動失調症状が現れる。
大気中に散ったりした有機水銀も、神経や脳障害を引き起こし、手足の震えや手足や口周辺の痺れ、歩行困難、めまい、難聴、視野狭窄、言語障害などを招く。消化器系疾患を起こす例や、死に至る例もある。
今回の調査では、住民がよく食べる肉食の魚4種(ピラーニャ・プレッタ、マンドゥベー、ピラプク、トライラン)を中心に調査したという。
調査には、非政府団体のWWWFブラジルや、生物の多様性保全のためのシコ・メンデス研究所(ICMBio)、先住民訓練調査研究所(Iepe)も加わっている。
一連の調査の目的の一つは、アマパー州内の金採掘や精製作業の基準を定め、水銀の使用量削減を呼びかける事だ。
調査のコーディネーターのセシレ・ガマ氏によると、同州では環境保護区内も含む全ての川の流域で、高濃度の水銀汚染が確認された。だが、環境保護区には域内の活動以外の汚染源はなく、データ改ざんが行われたはずもない分だけ、懸念される状況だという。