組合税支払い義務の廃止を定めた改正労働法が昨年11月に施行され、5カ月が経過したが、ブラジル内の地域を問わず、多くの労組が司法に訴え、組合税の存続を認める仮処分を勝ち取っていると、20日付現地紙が報じた。
組合税は各組合にとっては主要財源で、改正労働法の成立過程でも多くの反対運動が起こった。
弁護士がまとめた調査によると、すでに123件もの組合税徴収を認める仮判決が出ており、その内34件は2審判決で出たものだ。ただし、1審で出た、組合税を認める仮判決が、2審や3審で取り消された事例も存在している。
サンパウロ州食品業界労働者組合(STIA)は、乳製品のVigor社を相手に訴訟を起こし、「Vigor社は、サンパウロ州サンカエターノ市の工場労働者から組合税を徴収し、STIAに渡さなければならない」との仮判決を先月勝ち取った。Vigor社は「今のところは判決に従う」としている。STIAは同様の訴訟を53件起こしており、少なくとも6件で勝訴したが、逆の判決が出た例もある。
法学者のイヴェス・マルチンス氏は、「組合税支払い義務を廃止した改正労働法は、『組合への参加は自由』とした憲法に適っている。労働者が組合税を支払う義務も、雇用者が組合税を徴収し、組合に渡す義務もない」としている。
またL.O.バチスタ法律事務所のファビオ・チョン弁護士は、「この問題は、最終的に最高裁判所が議論して決断を下さない限り、解決しないだろう」と語っている。