【既報関連】今年10月の大統領選へ出馬する可能性がある20人の政治家の内、少なくとも15人が関わっている係争案件や捜査、告発の件数は計160件を超していると、22日付現地紙が報じた。
15人への嫌疑は、大型汚職捜査ラヴァ・ジャット(LJ)作戦などに関連する収賄から、交通違反や暴言による名誉毀損まで千差万別。捜査の進捗具合も、捜査中、告発、告発受理で被告人となり裁判中、有罪判決、控訴中、服役中などと様々だ。
LJ作戦の標的になっている大統領選出馬予定者の象徴的存在は、ルーラ元大統領(労働者党・PT)だ。ルーラ氏は、サンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅を巡る収賄や資金洗浄の罪で、禁固12年1カ月の実刑判決を受けて服役中だ。ルーラ氏には、その他にも多くの嫌疑がかけられている。
テメル大統領(民主運動・MDB)も、去年、2回告発を受けた。それら2件を最高裁で審理することは議会採決で阻止したが、現在も2件の汚職疑惑捜査が進行中だ。
現職上議のコーロル元大統領(キリスト教労働者党・PTC)も、LJで2件、その他4件の係争を抱えており、ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)も、LJで捜査対象になっている。これら4人の内、世論調査で31%の支持を受けるルーラ元大統領以外の3人は、いずれも支持率が2%未満だ。
PTはルーラ元大統領擁立を諦めていないが、代役としてフェルナンド・ハダジ前サンパウロ市長や、ジャッキス・ワギネル元バイーア州知事擁立の可能性も囁かれている。
ハダジ氏は選挙資金二重帳簿疑惑で捜査されており、ワギネル氏も、サルヴァドール市のW杯スタジアム改修に関する業者との不正契約疑惑の捜査対象だ。
世論調査での支持率が8%のジェラウド・アウキミン前サンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)は、建設大手オデブレヒト社から不正な選挙献金を受け取ったとして、二重帳簿疑惑で捜査されている。
支持率17%のポピュリズム候補、ジャイール・ボルソナロ下議(自由社会党・PSL)も、女性下議や、逃亡奴隷(キロンボ)の子孫に対する、著しく敬意を欠いた差別的発言により、告発を受けている。
シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)の支持率は9%台だが、政敵への度重なる攻撃的な言動で、大量の名誉毀損の訴えを受けており、その数は70以上に上る。
10%の支持率を得、ブラジル社会党(PSB)からの立候補が噂されている、元最高裁長官のジョアキン・バルボーザ氏も、報道関係者に対する暴言で、罰金刑を受けている。
現地紙はこれらの出馬予定者に取材を試みたが、ほとんどは「疑惑は解決済み」「裁判で無実が明らかになる」「反対勢力からの不当な攻撃に過ぎない」と否定して逃れ、残りは返答を避けた。