パラグアイで22日に行われた大統領選挙で、中道右派で与党コロラド党のマリオ・アブド・ベニテス候補(46)が、中道左派で野党リベラル党のエフライム・アレグレ候補(55)らを抑えて当選したと23日付ブラジル国内紙、同サイトが報じた。
大統領選は10人の候補乱立の混戦で、司法改革や税制改正などを訴えたベニテス氏がリード。当初はベニテス氏が20%ポイントの差をつけて当選と予想されていたが、実際にはかなりの接戦で、選挙裁判所がベニテス氏の当選確定と判断したのは、開票率96%(上位2候補の得票率はベニテス氏46・65%対アレグレ氏42・73%)の時点だった。
この時点でベニテス氏の陣営は路上に繰り出して、勝利を祝った。23日付ブラジル国内紙によると、開票率99%の時点の得票率は、ベニテス氏が若干票を伸ばして46・46%としたが、アレグレ氏は42・73%で、変化はなかった。
ベニテス氏は当選後、「国民はパラグアイがばらばらになるためにではなく、一つになるために投票した。私はこの国が一体となるためのファクターの一つとなる」と宣言し、オラシオ・カルテス現大統領の政策を踏襲する意向を表明した。
カルテス大統領は、任期中、ブラジルを中心とする外国企業の投資を呼び込み、過去5年間の平均で年6%という経済発展を促した。
ベニテス氏の大統領就任は8月15日だ。新大統領の課題は、国民の3分の1を占めるとされる貧困層の撲滅だ。
また、議会との交渉や根回しも大きな課題だ。同日行われた上院議員選挙では、コロラド党の議席数は、リベラル党と、現上院議長でもあるルゴ元大統領の政党、グアスー前線の議席数を下回り、第3位に転落すると見られている。同国では伝統的に、議会では与党が少数派で、野党との連立を迫られる。
ルゴ元大統領は、コロラド党が60年間政権を握った後の2008年に大統領に就任したが、2012年に罷免された。
22日は、大統領選と上下両院議員選、17州の知事選、メルコスル代議員の選出が行われ、420万人いる有権者の約65%が投票したとされている。