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《ブラジル》オデブレヒトが債務不履行となる可能性も=負債の返済見送り、融資交渉

 建設大手のオデブレヒト・エンジェニャリア・エ・コンストルサンが24日、25日が期限となる、国外で受けた融資の返済を見送り、銀行からの新たな融資交渉を行う方針を明らかにしたと25日付現地紙が報じた。
 同社が出した文書によると、25日に返済すべきだった金額は5億レアルだ。同社手持ちの現金(現在動かせる金)は7億ドルとされているが、同社はこれを当面の運転資金として温存し、債務不履行(デフォルト)とみなされるまでの30日間で銀行との融資交渉をまとめる意向だ。
 同社が望んでいる融資額は25億レアルで、5億レアルは25日に期限が過ぎた負債の返済、別の5億レアルは、年内に発生する別の負債の返済に充てる意向だ。残りの金額は、オデブレヒト・グループの責任遂行のために必要な資金として用いる見込みだ。30日以内に交渉が成立しないと、同社は正式に債務不履行に陥り、会社更生法の適用を受ける事になる。
 ただし、24日に返済見送りを決めた契約は、30日間という回復期間(カレンシア)を前提としておらず、25日に返済しなかったという理由で、取立てや提訴が起きる可能性があるという。
 このため、同社はここ数日中に銀行との交渉をまとめると共に、傷口を広げないような解決策を講じる必要がある。同社の債権の多くは外国人投資家や外国企業の手中にあるからだ。
 同社は今年の年頭から既に、融資獲得のための交渉を始めている。現在までに新たな融資に応じた銀行は、イタウ銀行とブラデスコ銀行で、社会経済開発銀行(BNDES)との交渉もかなり前進したという。交渉難航の原因は、債務不履行になった時は自分達が優先的に返済を受けられるようにとの思惑がぶつかり合い、どの銀行も契約にこの条件を盛り込もうとしているからだという。
 オデブレヒト・グループはラヴァ・ジャット作戦によって多くの贈賄事件に関わっていた事が明らかになり、請け負っている事業は半減、新規事業の獲得も困難な状態にある。また、国内外で司法取引を行ってはいるものの、罰金支払や事業縮小によって生じた財政面への影響は甚大だ。