ホーム | ブラジル国内ニュース | リオ州地裁=サンバフェスタの最中に逮捕された137人の釈放を決定=警察は「フェスタに反社会勢力が関与」の前提は崩さず=「ボスを必ず捕まえる」と市警

リオ州地裁=サンバフェスタの最中に逮捕された137人の釈放を決定=警察は「フェスタに反社会勢力が関与」の前提は崩さず=「ボスを必ず捕まえる」と市警

リオ市セントロの小規模商店集積地帯も、ミリシアの手が及んでいるとして閉鎖された(参考画像・Tomaz Silva/Agencia Brasil)

リオ市セントロの小規模商店集積地帯も、ミリシアの手が及んでいるとして閉鎖された(参考画像・Tomaz Silva/Agencia Brasil)

 【既報関連】リオ州地裁は25日、4月7日にリオ市西端のサンタクルス地区で行われた、ミリシア主催と思われるフェスタに参加し、逮捕されていた159人の内、137人を釈放する事を決めたと、25、26日付現地各紙・サイトが報じた。
 逮捕されていた人の家族は25日午後、サンタクルス区の裁判所前に無実を訴えるプラカードを持って集まり、審理の行方を見守った。釈放の判決に喜びの表情を見せた人々は、26日も朝から刑務所前に集まり、再会の時を待ちわびた。実際の釈放は午後2時頃からで、アルファベット順に順次、釈放された。
 「ミリシア」とは、現職、元職を含む、警察や消防隊員、軍人、政治家などが、集団で地域を実力支配する反社会組織だ。
 リオ州の治安が極度に悪化したため、同州には2月16日より治安部門限定の連邦政府直接統治令(IF)が出されている。4月7日のフェスタへの捜査は、IF発令以来最大規模の犯罪組織摘発作戦だった。
 検察側は、逮捕された159人中138人の釈放を求めていたが、その内の1人は既に、21日に釈放されている。検察は、残る21人は起訴する予定で、拘留継続を主張している。
 159人は、フェスタに参加していたところを現行犯で逮捕された。リオ市警はそのフェスタをミリシアの集会だったとしているが、逮捕された人々の公選弁護人は「ただのパゴージ(サンバの一種)のフェスタだった」と主張している。
 検察は、「フェスタの現場にはミリシア幹部が複数いたし、踏み込んだ市警との間に銃撃戦も発生した」と主張。138人の釈放要請を出したからと言って、警察によるフェスタの捜査や、司法当局による逮捕の許可が不当だったわけではないとの立場を貫いている。
 リオ市警はフェスタを主催したのは、リオ市最大のミリシア、リーガ・ダ・ジュスチッサだったとしている。
 リオ市警トップのリヴァウド・バルボーザ氏は、「リーガ・ダ・ジュスチッサは、巨大な軍事力、経済力を持っている。盗み、恐喝、資金洗浄、薬物密売に少児搾取と、何でもやって、毎月2500万レアルも稼ぎ出す。年間の〃あがり〃は3億レアルだ」と語り、ミリシアの収益の多くは市警、軍警、消防と犯罪者との癒着、汚職によっても生み出されているともしている。
 25日には、同じサンタクルス地区とカンポ・グランデ地区で、再びミリシア摘発作戦が行われた。18人が逮捕され、約30台のヴァンが押収された。
 リオ市警のバルボーザ氏は、7日もフェスタ会場にいたが、逃亡したとされるリーガ・ダ・ジュスチッサのボスの一人、〃エッコ〃ことウェリントン・ダ・シルヴァ・ブラガを必ず捕まえると語っている。