ホーム | ブラジル国内ニュース | 《サンパウロ市セントロ》歴史的建造物の壁塗られる=落書も覆うが市に無許可

《サンパウロ市セントロ》歴史的建造物の壁塗られる=落書も覆うが市に無許可

 サンパウロ市セントロにある、1940年代からある歴史的建造物の壁が25日未明に、ペンキできれいに塗られたが、無許可で行ったことで問題となっている。26日付フォーリャ紙が報じている。
 この建物はセントロのサンフランシスコ教会の並びにあるサンフランシスコ修道院で、1940年代に建築された。
 この建物は州と市によって歴史遺産に指定されているため、当局の許可なしにリフォームができない状態にある。
 今回、全7階の建物ののうち、2階までの部分が、24日夜から翌25日の未明にかけて、ベージュのペンキで全体を覆うように塗られてしまった。従来の壁の色は赤茶けていたが、窓などにはめられた鉄格子、木の扉や窓枠、建物の住所を示す番号札なども皆、同色のペンキで塗りたくってあるのだ。
 監視カメラでは、謎の男性2人組がペンキを塗っている姿が映し出されていた。
 今回塗られた部分は、かねてから落書などによる汚れがあり、修道院側から改修申請が出ていたが、1年近く返答がなくて、そのままになっていた。今回の事件後、関係者は「このままでは歴史遺産の面影もない。一刻も早く、きちんと修復させないと」と訴えている。サンパウロ市側は修復計画の有無を明らかにしていないが、この建物は私有物のため、修復は所有者の責任だという。