最高裁のディアス・トフォリ判事は3日、ルーラ元大統領からの、サンパウロ州アチバイアの別荘を介しての収賄疑惑の裁判をパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事の管轄から外すよう求めた請求を却下した。3日付現地紙サイトが報じている。
ルーラ氏側の弁護士が要求したのは、検察が実際はルーラ氏のものと主張しているサンパウロ州アチバイアの別荘の改修工事を、建設会社が賄賂代わりに無料で引き受けたとする容疑での裁判をモロ判事の管轄から外すことだった。ルーラ氏側は「アチバイアの問題はペトロブラスでの贈収賄工作に絡んだものではないので、モロ判事の管轄にはならないはず」と主張し、最高裁に訴えた。
ルーラ氏側の主張は、ペトロブラスに関係しない件での裁判は、ルーラ氏の戸籍があるサンパウロ州地裁が受け持つべきだというものだった。
ルーラ氏側が強く出ていたのは、4月24日に最高裁の第2小法廷で行われた審理で、オデブレヒト社の報奨付供述で出てきたルーラ氏絡みの言及中、サンパウロ市のルーラ研究所とアチバイアの別荘を介した贈収賄工作の疑惑に対する供述は「ペトロブラスを巡る疑惑とは直接関係していない」との主張が判事投票3対2で認められ、モロ判事の判断材料から外されるという経緯があったためだ。
アチバイアの別荘に関する裁判管轄の件は、2日に報告官を選ぶ作業が行われ、トフォリ判事の担当となった。同判事はルーラ氏に対する人身保護令適用に関する審理の際に適用を認める判断をしたのをはじめ、かねてからルーラ氏に有利な判断をすることが多かったため、今回の判断にも注目が集まっていた。
だが、トフォリ判事はこの訴えを却下し、アチバイアの件の裁判はモロ判事の管轄で行われることになった。同判事いわく、ルーラ氏側の要求は既にはじまっている裁判の被告によるもので、「司法としての合理性に欠いたもの」と判断し、アチバイアの件の裁判管轄をパラナ州連邦地裁からサンパウロ州連邦地裁に移す必然性を認めなかった。
同判事は、「4月24日の最高裁の判断が出た時点でモロ判事はアチバイアの件の裁判をサンパウロ州地裁に移すべきだった」とのルーラ氏側の主張についても、「最高裁の判断はオデブレヒト社幹部らの供述に関するもので、パラナ州地裁での刑事裁判の是非は判断していない」として、否定した。
ルーラ氏は、サンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅を介した収賄容疑の裁判で17年7月にモロ判事から9年半の実刑判決を受けた後、今年1月の連邦第4地域裁の2審で12年1カ月の実刑判決を受けたことで、4月7日より服役している。
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