2日、最高裁でアウトリダーデ(公職特権者)のうち、下院議員と上院議員についての法的特権(フォロ・プリヴィリジアード・FP)の制限に関する審理を行い、判事投票7対4で制限を加えることにした。これにより、連邦議員へのFPは、任期中に犯した、職務に関連する犯罪のみに適用されることになり、それ以外の犯罪は最高裁の対象ではなくなる。4日付現地紙が報じている。
従来の公職特権者に対する法的特権は、「犯罪が任期中のものでも、それ以外のものでも、裁判は地方裁では扱わない」というものだった。
最高裁が扱っている公職特権者に関する捜査は399件あり、起訴または審理中のものも86件ある。大半は連邦議員が対象で、それが政治家関連の裁判の遅れにつながり、問題となっていた。ラヴァ・ジャット作戦以降は特に、FP見直しを問う声が高まっていた。
最高裁でのFP見直し審理は昨年始まったが中断し、1日に再開。2日は前日投票できなかったジウマール・メンデス判事が投票し、11対0でPFの幅を狭めることになったが、その適用の仕方では意見が分かれた。
再選された議員が最初の任期に犯した犯罪はFPの対象となるかなど、いくつかの点は事例ごとに分析する必要が残ったが、「FP適用を現在の任期中の犯罪で職務に関係した件のみに絞る」ことを主張したルイス・ロベルト・バローゾ報告官に、マルコ・アウレーリオ、ローザ・ウェベル、エジソン・ファキン、ルイス・フクス、セウソ・デ・メロの各判事とカルメン・ルシア長官の6人が賛成。アレッシャンドレ・デ・モラエス、ディアス・トフォリ、リカルド・レヴァンドウスキー、メンデスの4判事は、職務に無関係の犯罪も最高裁で扱うべきとして反対票を投じた。
これで、上議、下議のFPの対象は「任期中に起こった、職務に関連する犯罪」だけとなった。従って、「夫人に暴行した」などの、現在の職務に直接関係のない民事事件などは、最高裁の管轄ではなくなる。
この投票結果に対して連邦議員の多くは腑に落ちないとの反応を示し、「それならば司法関係者などのFPも制限すべきだ」と反論している。今回の審理の対象は連邦議員のみで、正副大統領、司法や検察の要職者など、他の公職特権者に対するFP適用範囲を狭める判断はされていない。
また、連邦議員の「現行犯以外は逮捕されない」権限に関する審理は行われていないから、現状のままだ。
なお、今回の決定で、現在は最高裁で係争中だが、FPを失う可能性がある案件も浮上してきている。アエシオ・ネーヴェス上議のミナス・ジェライス知事時代の収賄容疑などがそれにあたる。