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援協定期総会=経済危機でも堅調に推移=純利益9千万レアル超え

総会の様子

総会の様子

 サンパウロ日伯援護協会、並びに、日伯福祉援護協会(与儀昭雄会長)は、「定期総会」及び「定期評議員会」を先月28日、援協ビル5階神内ホールで開催した。17年度事業及び決算報告の討議と承認並びに、18年度事業計画と予算の承認が行われた。
 冒頭、昨年亡くなった援協の大恩人・日本国際協力財団元理事長の神内良一氏、援協元会長の原沢和夫氏、森口イグナシオ忠義氏らに対し、一分間の黙祷が捧げられた。
 挨拶に立った菊地義治評議員会長は、援協を築き挙げてきた先達に思いを馳せ、「時代の移り変わりを感じる。移住者のため創設された援協は、日系社会の支援のお陰で立派に成長した」とその軌跡を振返った。
 神内氏の多大な支援を受けて増築・拡大し、援協の屋台骨となった日伯友好病院は今年創立30周年の節目を迎える。「今後どういう方向で、社会の中でどのように重要な役割を果たしていくか。ご支援頂きたい」と協力を仰いだ。
 続いて与儀会長は「政治経済的危機のなかでも、昨年は計画された全ての事業が実行され、十分満足いく結果となった」と報告。17年度の売上高合計は4億6516万1917レ、当期純利益は9016万5311レとなった。
 さらに、経済誌ヴァロール・エコノミコ紙で国内優良企業1千社以内、医療分野では第2位の評価を得たことに言及。日伯友好病院の競争力を確保しながら、公益福祉団体免税認可を継続してゆく考えを示し、「病院の収益に過度に依存しない体制を構築していきたい」と見通した。
 18年度事業計画は9248万3千レで、そのうち約8700万レが日伯友好病院の拡張、設備投資等に充てられる。また、4億8342万8千レの予算が承認された。
 なお、援協が管理する別団体、日伯福祉援護協会の傘下にあるスザノ・イペランジアホームは、日本財団からの支援を受けて昨年増築し、入居枠が50人まで拡大した。まだ15室ほど空いており、満室にするのが今後の課題だ。こちらの17年度決算は、売上高合計が465万449レ、当期純利益が21万1593レとなった。また、18年度事業計画は47万7千レ、予算は410万8千レとなった。


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 援協定期総会では、日伯友好病院30周年式典の日程を巡って一悶着があった。質疑応答では、9月26日の平日に予定された式典について、人が多く出席できるよう週末に変更するよう要望が上がった。現執行部は病院の行事日程の兼合いと翌年に援協創立60周年を控えることから、小規模な式典とする考えだった。一方、評議員からは「現在の病院規模に見合った式典を」「お世話になった日本国際協力財団からもご参加頂けるよう週末に」といった声が上がった。神内氏からの多額の寄付により病院を増築し、不安定だった経営を軌道に乗せてきた。身を持ってその苦労を体験してきた一部評議員と、実感の少ない現執行部との間で、若干の温度差が出た模様。今後、日程について再検討が行われる。