任期終了まで残り7カ月あまりとなったテメル政権(民主運動・MDB)だが、政権が進めようとしていた公共インフラの運営権、経営権の民間企業委託計画は中々実現せず、次政権への宿題となって残りそうだと、6日付現地紙が報じた。
官民合同プログラム(PPI)は、政権発足後間もない16年の9月に、ブラジル経済を再び成長させることを目的として発表された。PPI審議会がこれまでに5回開かれ、175のプロジェクトが承認されたが、その内、入札にこぎつけたのは、42・2%にあたる74件だけだ。
74件の内、56件はエネルギー、石油関連計画だ。短期間で多くの雇用創出が望める鉄道や道路関連計画はもとより、電力公社エレトロブラス社などの民営化計画なども、議会の抵抗に遭い、進んでいない。
国内空港の民営化も、17空港が対象だったが、実際に入札が行われたのはまだ四つだけだ。
PPI特別委員のアダウベルト・ヴァスコンセロス氏は、全体的に進行が遅れている道路の民営化計画八つの内、ブラジル南部のインテグラソン・スル計画と、国道364、365号線の一部区間の民営化計画の二つは、年内に具体化する可能性があるとした。
エネルギー、石油関連計画以外に比較的順調に民営化が進んでいるのは港湾関連だ。これまでに実施された港湾の入札は14で、今後も21の計画が実現を待っている。