ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》マリエーレ・フランコ リオ市議殺害事件=首謀者2人の名が証言される=「あいつを何とかしなくては…」との会話も暴露=疑惑の市議は真っ向否定

《ブラジル》マリエーレ・フランコ リオ市議殺害事件=首謀者2人の名が証言される=「あいつを何とかしなくては…」との会話も暴露=疑惑の市議は真っ向否定

3月15日故マリエーレ・フランコ、リオ市議の葬儀の様子(Fernando Frazão/Agencia Brasil)

3月15日故マリエーレ・フランコ、リオ市議の葬儀の様子(Fernando Frazão/Agencia Brasil)

 【既報関連】「マリエーレめ、あのフレイショのオンナを早く何とかしなければ…」
 今年3月14日にリオ市セントロで発生した、リオ市議のマリエーレ・フランコ氏(自由社会党・PSOL)と運転手のアンデルソン・ゴメス氏射殺事件に関し、「リオ市議のマルセロ・シシリアーノ氏(人道連帯党・PHS)と元軍警のオルランド・デ・アラウージョ氏が、マリエーレ市議殺害事件の首謀者」との証言が出たと、8、9日付現地各紙・サイトが報じた。
 アラウージョ元軍警のボディガードだった証言者(名前は捜査上秘匿事項)は、「犯行動機は、麻薬密売者が支配しているがミリシア(犯罪者の民兵組織)が支配権奪取を狙っているリオ市西部の地区で、マリエーレ市議が社会保護政策、社会参画政策を進めていたことを、シシリアーノ市議らが快く思っていなかったこと」とリオ市警殺人課で語っている。
 証言で名前が出てきた元軍警のアラウージョ氏は、ミリシアを率いていた容疑で既に逮捕されている。
 シシリアーノ市議は8日、「アラウージョ元軍警のことは知らない。証言は全くの嘘。こんなやり方で私を犯罪者扱いするのは卑怯だ」と語った。また、一夜明けた9日の会見でも、「昨日(8日)の報道に大変驚いている。どうしてこんな嘘が語られたのか理解できない。私は、何者かさえ分からない人物の発言に基づき、インターネットで酷い攻撃を受けている。彼女は私の誕生会にだって来てくれた関係だ」と釈明した。同市議は4月6日にリオ市警に参考人として召喚され、事情聴取に応じている。
 一方、証言者は、シシリアーノ市議とアラウージョ元軍警の会話を赤裸々に暴露した。それによると、同市議は机を叩きながら「マリエーレに注意しなくては。フレイショのオンナめ。邪魔ばかりしやがって」と怒鳴り、元軍警を見ながら「早く何とかしなくては」と言ったという。故マリエーレ市議は、ミリシア問題を扱ったリオ州の議会調査委員会に、マルセロ・フレイショ州議(PSOL)の補佐役として参加していた。
 証言者は、シシリアーノ市議と元軍警が会った日時、時間帯、場所や、実行犯と思われる4人の名前も警察に明かした上で、マリエーレ市議殺害は昨年6月から計画されていたことや、今年2月にアラウージョ元軍警が獄中から車の偽装などを命じたこと、市議殺害の3月14日以降、既に2人が口封じのためにミリシアに殺害されたことなども語っているという。
 なお、証言の内容の全てはオ・グローボ紙のスクープで、リオ州保安局は報道についてのコメントを出していない。