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サンパウロ市ビル火災=新たに犠牲者の骨回収=住民への住居補助支給開始

 【既報関連】1日に起きたサンパウロ市中央部のビル火災の現場で9日朝、新たな犠牲者の骨が回収されたと9日付現地紙サイトが報じた。
 行方不明者の捜索は昼夜兼行で行われており、9日朝には地下1階部分と見られる部分の瓦礫まで捜索の手が及んだ。
 消防によると、9日未明も25人の消防士が捜索活動を行ったが、地下1階と見られる部分の瓦礫の山に手をつけた時点では、生存者や遺体そのものを見出す事は出来なかったという。炎上、崩壊した建物は地上24階、地下2階だった。
 9日の朝回収された骨は骨盤と椎骨で、8日に骨や指輪が見つかった場所とは異なる場所で発見された。これらの骨片は警察犬の助けと手作業での瓦礫分別によって見つかったが、消防によると、発見された骨片が一人のものか、複数の人のものかの判別は困難だという。また、犠牲者が火災に巻き込まれて亡くなったのか、骨折が原因で死亡したのかの判断も、鑑識の結果を待つ必要があるという。
 瓦礫の撤去作業は、瓦礫を一旦ひっくり返してから運び出すという形をとっており、消防は9日朝までに2千トンの瓦礫を撤去したという。
 なお、8日に発見されたと報じた遺体は遺体そのものではなく、骨を鑑識にかけた結果、男性成人のものとの鑑識結果が出た。8日の遺骨発見現場では衣類や玩具、指輪も回収されていたが、双子の一人という可能性はなくなった。
 また、リオ市で起きたビル崩壊事故の時もそうだったが、現状では、7人の行方不明者全員の遺骨なりを回収出来るか否かは定かではない。
 なお、8日午後には、火災で焼け出されたビルの住民の一部に対する住居費補助の支払も始まった。住居補助は、最初が1200レアルで2カ月目以降は400レアル、最大1年間続けられる。
 住居補助受給対象は、焼け落ちたビルの住民で市役所への登録を済ませた116家族と、火災により立ち入り禁止となったビル住民で、やはり登録を行った94家族だ。大半の住民は崩壊したビルの近くで野宿を繰り返しているが、住居補助は家賃や光熱水費には到底足りない。被災者の多くは、住居補助ではなく、大衆住宅を提供してくれる事を望んでいる。