伯外務省サイトによると、東京都の在日ブラジル大使館にはエドゥアルド・パエス・サボイア氏が特命全権大使として就任する予定だ。同氏はボリビア国ラパスの伯大使館に勤めていた2013年当時、モラレス大統領と対立してブラジルへの亡命を求めていた同国上議を「人道的理由」からブラジルに受け入れた。当時のジウマ政権は、同じ左派政権だったモラレス大統領の肩を持った。にも関わらずサボイア氏は強引に受入れを決定、政府から批判を浴びたが、信念を貫いた。そのためジウマの政敵アエシオ氏、故カンポス氏らから「苦しんでいる同胞を助けるブラジル人の伝統にのっとった行動」と賞賛された。日系四世ビザが本格的に始まる今年、サボイア氏の信念ある言動に期待?
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椰子樹社(代表・多田邦治)の短歌誌『椰子樹』376号が3月に刊行された。《立ちどまり新築なりしビル仰ぎ草原でありしを思い出しおり》(川上美枝)。泥道ばかりの開拓地時代に入った作者ゆえに、今のマリンガの発展振りはまぶしいばかりだろう。《八十年余りは過ぎしか植民地をおそいし病魔の記憶もはるか》(阿部玲子)は黄熱病に大騒ぎする昨今のニュースから、ワクチンなどなかった戦前の植民地に生活に思いを馳せたもの。《銀行の金属探知に反応する杖を託してさてどうしよう》(武井貢)。金属を使わない杖を使うしかないですが、もしも今の杖が大事な人からのプレゼントだと…。《昔なら畑と言えばコーヒー園今は探せど見付け難し》(宮本留美子)もまったく同感。