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《リオ市》マリエーレ氏殺害=容疑者は殺人容疑で収監中=やはり車で追跡後に射殺

 【既報関連】3月14日にリオ市中央部で起きた、マリエーレ・フランコ市議(自由社会党・PSOL)と運転手のアンデルソン・ゴメス氏殺害事件で、首謀者の一人と名指しされた元軍警のオルランド・デ・アラウージョ氏は、同件と酷似する殺人事件関与の疑いで逮捕中と9、10日付現地紙サイトが報じた。
 アラウージョ氏の元ボディガードは、警察による保護と引き換えに3度の証言を行い、マリエーレ氏がリオ市西部のスラム街シダーデ・デ・デウスに導入した社会保護・社会参画政策を快く思わないリオ市議のマルセロ・シシリアーノ氏とアラウージョ氏が、同氏殺害を首謀したと語った。
 証言内容が8日に報道された後、シシリアーノ氏は9日の記者会見で、アラウージョ氏も同日付文書で、マリエーレ氏殺害への関与を否定した。
 だが、それに輪をかけるように、アラウージョ氏は、2015年6月に起き、マリエーレ氏殺害に酷似した事件の首謀者として逮捕された事が9日に報じられた。
 この事件は、同市西部クリシカ地区で、エスコーラ・デ・サンバ会長だったワギネル・ラファエル・デ・ソウザ氏の車に幅寄せした車から犯人が銃を連射、被害者は至近距離から頭を撃たれて死亡という、マリエーレ氏殺害事件と酷似したものだ。違うのは、15年の事件では犯人が車を降り、さらに射撃を加えた点位だという。
 この事件の生存者は、犯人はアラウージョ氏とレナト・ナシメント・ドス・サントス、ウイリアン・ダ・シウヴァ・サンチアナ、運転手の4人と証言していたが、報復を恐れたのか、裁判では供述を全て否定した。
 証言者は、ソウザ氏はサーカスに土地を貸す際に、警官などからなる犯罪組織で、地域を治めていたミリシアの許可を求めなかったために殺されたと供述。アラウージョ氏はミリシアの首領で、殺害を指示したが、事件後は1年間逃亡。17年10月に逮捕された。
 アラウージョ氏は逮捕後も獄中から様々な指示を出しており、逮捕劇の責任を問われて脅迫された証言者が、保護と引き換えにマリエーレ氏の件の証言を行ったという。
 なお、10日夜は、マリエーレ氏殺害事件の現場を再現しての検証作業も行われた。