ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル中銀》今年のGDP成長率予測を2・51%へ引き下げ=「不況終了の2016年、建て直しの2017年、飛躍の2018年」は絵に描いた餅? 

《ブラジル中銀》今年のGDP成長率予測を2・51%へ引き下げ=「不況終了の2016年、建て直しの2017年、飛躍の2018年」は絵に描いた餅? 

国外要因では米国利上げ期待感、国内要因では選挙リスクと、ブラジル経済の先行きは不透明だ(参考画像・Agencia Brasil)

国外要因では米国利上げ期待感、国内要因では選挙リスクと、ブラジル経済の先行きは不透明だ(参考画像・Agencia Brasil)

 ブラジル中銀が毎週出している経済指標の予測統計、フォーカスが14日に発表され、今年の国内総生産成長率予測が、2・7%成長から2・51%成長へと下方修正された。
 フォーカスはまた、今年のインフレ予測も、以前までの3・49%から3・45%と0・04%ポイント(P)引き下げ、来年2019年のインフレ予測も4・03%から4%へと0・03%P引き下げた。
 政府設定のインフレ目標値は、18年が、4・5%を基準に±1・5%以内(3~6%)、19年が4・25%を基準に±1・5%以内(2・75~5・75%)となっており、フォーカスの予測通りならば、今年も来年も許容範囲内に収まる。
 中銀は経済基本金利(Selic)の利率を上下させることで、インフレ抑制(Selicを上げる)、景気の後押し(Selicを下げる)のバランスをとっている。
 今はSelicが年利6・5%と、1994年のレアル・プラン採用以来最低値になっているが、インフレが収まっており、景気回復の勢いが想定よりも弱いために、5月15、16日に開催予定の通貨政策委員会(Copom)でSelicのさらなる引き下げが行われる可能性が高い。
 為替の方は、米国の利上げを期待して、ブラジル・レアルから米ドルへの資金の還流が起き、ブラジリア時間の14日午後4時現在も、1ドル=3・62レアルを付けている。1ドルが3・6レアルとなるのはほぼ2年ぶりのことだ。
 ドル高はインフレを加速させうる要因の一つだが、経済関係者たちの間では、ドル高によるインフレ効果は限定的だと見られている。
 フォーカスは為替相場の推移も予測しており、今年の年末は、1ドル=3・4レアルになるだろうと見ている。(14日付アジェンシア・ブラジルより)