ブラジル中銀が毎週出している経済指標の予測統計、フォーカスが14日に発表され、今年の国内総生産成長率予測が、2・7%成長から2・51%成長へと下方修正された。
フォーカスはまた、今年のインフレ予測も、以前までの3・49%から3・45%と0・04%ポイント(P)引き下げ、来年2019年のインフレ予測も4・03%から4%へと0・03%P引き下げた。
政府設定のインフレ目標値は、18年が、4・5%を基準に±1・5%以内(3~6%)、19年が4・25%を基準に±1・5%以内(2・75~5・75%)となっており、フォーカスの予測通りならば、今年も来年も許容範囲内に収まる。
中銀は経済基本金利(Selic)の利率を上下させることで、インフレ抑制(Selicを上げる)、景気の後押し(Selicを下げる)のバランスをとっている。
今はSelicが年利6・5%と、1994年のレアル・プラン採用以来最低値になっているが、インフレが収まっており、景気回復の勢いが想定よりも弱いために、5月15、16日に開催予定の通貨政策委員会(Copom)でSelicのさらなる引き下げが行われる可能性が高い。
為替の方は、米国の利上げを期待して、ブラジル・レアルから米ドルへの資金の還流が起き、ブラジリア時間の14日午後4時現在も、1ドル=3・62レアルを付けている。1ドルが3・6レアルとなるのはほぼ2年ぶりのことだ。
ドル高はインフレを加速させうる要因の一つだが、経済関係者たちの間では、ドル高によるインフレ効果は限定的だと見られている。
フォーカスは為替相場の推移も予測しており、今年の年末は、1ドル=3・4レアルになるだろうと見ている。(14日付アジェンシア・ブラジルより)