【既報関連】1日にサンパウロ市中央部で起きた24階建てのビル火災の現場で13日、マルシオ・フランサ知事も出席し、消防士達への顕彰の時を持った。
これは、1日以降、不眠不休で行方不明者らの捜索に当たってきた消防士達をねぎらい、次の段階の作業に入る事を明らかにする行為だ。
不明者の捜索は昼夜兼行で行われ、4日にリカルド・オリヴェイラ・ピニェイロ氏(39)の遺体を発見。8日以降も骨片回収が続いていたが、12日の段階で、地下2階にも捜索が至り、行方不明者が見つかる可能性はなくなったため、13日に捜索打ち切りが宣言された。
発見された骨の鑑識作業は続けられ、8日回収分はフランシスコ・レモス・ダンタス氏(56)である事、9日に発見された骨片中、子供の骨は双子(ウェンデル&ウェルネル、9歳)のものである事が、11、12の両日に確認された。
だが、9日発見の大人の骨と11日と12日に発見された骨は身元が判明しておらず、双子の母親のセウマ・アウメイダ・ダ・シウヴァ氏(40)、ヴァウミル・ソウザ・サントス氏(47)と妻のエヴァ・バルボーザ・リマ氏(47)、11日にリストに加わったジェンチル・ロッシャ・デ・ソウザ氏(54)の4人は不明のままだ。
消防は、焼け落ちたビルの内部は高温になり、数百度に至った部分もあるため、遺体や遺骨が見つかるのは難しい状況にあった。
なお、ビルの跡地は今後、瓦礫を埋め戻して整地した上で、次の用途を決める事になる。焼失したビルは国の資産だったが、フランサ知事によると、土地の再利用に関する判断はサンパウロ市役所の責任に委ねられる。
延焼などで立ち入り禁止となっている隣接の建物に関する評価や住民支援、不法占拠ビルの監査などは継続する。
不法占拠されたビルでは、消防の監視も困難な上、違法な形で電気を引き込み、たこ足配線で家電製品をつなぐなどの問題も起こりやすい。12日には、サンパウロ市東部のパルケ・ノヴォ・ムンドでも不法占拠された建物で火災が起き、少なくとも10件が炎上。死傷者は出なかったが、飼い犬などが死亡。焼け出された人達は近くにあるやはり不法占拠の家々に収容されたという。(13日付アジェンシア・ブラジル、12~14日付G1サイトより)