ルーラ元大統領に逮捕命令が出た4月5日、元大統領支援者がルーラ研究所前で起こした殺人未遂事件で、労働者党(PT)元市議とその息子に逮捕令状が出たと12日付現地紙が報じた。
事件が起きたのは、元大統領逮捕命令が出た5日夜だ。サンパウロ市のルーラ研究所前の前には元大統領支援者らが大勢集っていたが、通りかかりの企業家、カルロス・アウベルト・ベトニ氏(56)が、ルーラ氏や彼を支援する政治家を批判したため、元ディアデマ市議のマノエル・エドゥアルド・マリーニョ(通称マリーニョ・ド・PT)と息子のレアンドロ・エドゥアルド・マリーニョの2人から暴行を受け、バランスを崩した際、後方から来たトラックのバンパーで頭を強打。ベトニ氏は頭蓋骨骨折で手術後、集中治療室に3週間入院する必要が生じた。同氏の健康状態は現在も思わしくない。
マリーニョ父子は10日に検察から起訴され、殺人未遂罪に問われていた。同件を扱ったサンパウロ地裁第1小法廷のデボラ・ファイタロネ判事は、同父子は被害者への救助責任さえ果たさずに現場を立ち去っており、その行為は非常に危険かつ卑劣なものとした上、彼らを自由の身のままにしておく事は、政治家は罰せられないという認識を呼び、新たな犯罪を呼び起こす原因ともなるとして、11日に両者の逮捕を命じた。