ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》10月統一選=LJ捜査対象下議の9割が出馬=断念したのはわずか2人=再選後も法的特権狙い?=最高裁でやっと議員審理開始

《ブラジル》10月統一選=LJ捜査対象下議の9割が出馬=断念したのはわずか2人=再選後も法的特権狙い?=最高裁でやっと議員審理開始

メウレール下議(Viola Junior/Câmara dos Deputados)

メウレール下議(Viola Junior/Câmara dos Deputados)

 10月に行われる統一選挙において、ラヴァ・ジャット作戦の捜査対象になっている下院議員のうち、91%が何らかの選挙に出馬すると、15日付エスタード紙が報じている。

 同紙によると、現在の下院にはラヴァ・ジャット作戦の捜査対象の議員が55人おり、その中の実に50人、比率にして91%が選挙に出馬する意向だという。
 50人の内の42人は「下議再選」を目指し、4人は上議選、2人が州知事選、1人が州議員選、そしてもう一人が大統領選に出馬の意向だ。大統領選出馬がいわれているのは、下院議長のロドリゴ・マイア氏(民主党・DEM)だ。
 政党別内訳で見ると、進歩党(PP)と労働者党(PT)が共に12人で最も多く、以下、民主社会党(PSDB)が6人、DEMが4人、民主運動(MDB)と共和党(PR)が各3人、社会大衆党(PPS)、ブラジル社会党(PSB)、社会民主党(PSD)が各2人、ブラジル共産党(PCdoB)、ブラジル共和党(PRB)、ブラジル労働党(PTB)、連帯(SD)は各1人となっている。
 出馬を明言しなかった5人に関しても、「選挙へは出馬しない」と明言したのは2人のみで、あとの3人は無回答、もしくは未定という状態だという。
 仮にもし、ラヴァ・ジャットの捜査対象となっている下院議員が再選した場合、疑惑の案件が下議在任中に起こった場合に関しては、そのまま、最高裁で扱うという法的特権(フォロ・プリヴィレジアード・FP)が適用されるため、起訴、裁判となった場合は最高裁で審理する。
 だが、今月3日に出た最高裁の判事投票の結果により、任期中のものでない案件や職務に関係ない案件の審理は次々と地裁に回されており、15日までに既に68件が最高裁管轄からはずれた。こうしたことから、これまでのように「最高裁がFPを多く抱えすぎているために、下議の裁判がなかなかできない」という事態は緩和されることになる。
 2005年に発覚したメンサロン事件は下院を中心としたスキャンダルだったが、対象となった下議のFPの多さも重なり、裁判の開始が2012年と大幅に遅れた。
 15日には、最高裁第2小法廷で、ラヴァ・ジャットで容疑が生じた下議に対する初の裁判が行われる。審理の対象となるのはネウソン・メウレール下議(進歩党・PP)で、ペトロブラスの事業に絡む収賄と資金洗浄疑惑に問われている。
 ラヴァ・ジャット作戦は2014年にはじまっているから、連邦議員の審理は捜査開始から4年後、検察庁の起訴状受け入れからでも2年がかりで実現したことになる。