《ブラジル》「改正労働法は、施行前の契約にも有効」＝労働省が意見書を発表

エウトン・ヨムラ労相（Jose Cruz/Agencia Brasil）

　ブラジル労働省は１５日、昨年７月に議会で承認され、１１月１１日を持って正式に施行となった改正労働法に関して、「改正労働法は、施行前に結ばれた雇用契約に関しても有効である」との意見書を発表したと、１５、１６日付現地紙・サイトが報じた。
　この文書は、現行の労働契約と改正労働法の関係に関して、議論が起きていることを認め、改正法の内容は、その施行前に締結された労働契約に関しても、即刻有効となると規定した。
　改正法を巡っては、労働裁判所の判事、組合、検察の中でも、「有効となるのは１７年１１月の施行後に結ばれた労働契約のみ」と主張する人達がいる。
　改正案制定の際に、詰めが間に合わなかった細部について言及していた暫定令が今年４月に失効したことで、この主張は勢いを増した。暫定令には「これらの内容は、現在有効な契約全てに対して効力を発揮する」と書かれており、「施行前の契約にも有効」と解釈できる。その暫定令が失効したのだから、やはり改正労働法は施行後の契約に関してのみ有効だと言うのだ。
　改正労働法に関しては、施行時から、施行以前の契約にも適用されるか否かが議論の的になってきた。
　高等労働裁判所も委員会を設立し、この問題の検討を始めた。最高裁判所も先週、改正法成立以来初めての関連案件の審理を始めた。
　労働裁判所の判事たちは、労働省、つまり連邦政府の見解に反論している。労裁判事協会（Ａｎａｍａｔｒａ）は、「労働省の意見書は、労裁判事の判断に影響しない」との声明を発表した。