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人権裁判所の判事が家庭内暴力で辞任

・マリス氏が家庭内暴力で同判事告発との記事を週末に出た雑誌が掲載した事が原因だ▼マリス氏は昨年12月に離婚したが、家庭内暴力は肉体的、精神的の両面に及んでいたという。同氏によると、17年10月には髪の毛を引っ張り、自宅の階段で引き倒した上、ナイフを持ち出して殺そうとさえしたが、周りの人が止めたため、殴って突き飛ばすだけで終わったという▼マリス氏は、13年間の結婚生活中、6年間の会話を録音しており、言葉と力による暴行を受けていたと供述。検察はカウダス氏をマリス氏から遠ざける方策を採るよう裁判所に求めた。だが、裁判官は、カウダス氏はもう別居しており、ケンカの原因は金銭上のトラブルと判断し、検察の要請には応えなかった▼カウダス氏の弁護士は「女性が6年間の会話を録音していたのは、将来的に金を要求するつもりだった証拠」とし、録音は言葉による暴力が繰り返されていた事を示すが、肉体的な暴力はなかったと釈明する文書も出した。米州人権裁判所は、女性に対する暴力はどのようなものであれ、厳格な捜査を必要とするとの見解を示した▼カウダス氏は11年にジウマ前大統領から指名され、翌年の米州機構総会で人権裁判所判事に選ばれた。16~17年は長官も務めた。前述の事件は同氏が同裁長官だった年に起きており、家庭を治める事さえ出来ない判事が国際的な人権法廷を取り仕切っていた事の矛盾を浮き彫りにした。(み)