ブラジル連邦検察庁が、過激派組織のISIL(イラク・レバントのイスラム国)との連携やリクルートを試みるブラジル人11人を、犯罪組織形成とテロ画策などの容疑で告発した。17日付エスタード紙が報じている。
11人中7人は昨年の10月以降、一時的に身柄を拘束されたりした。また、残りも、強制連行後の事情聴取に応じている。主犯格のウェリントン・コスタ・ド・ナシメント容疑者(46)と、ジョナタン・センチネリ・ラモス容疑者(23)の2人は、現在も、凶悪犯を収容することで知られるマット・グロッソ州のカンポ・グランデ連邦刑務所に収監中だ。後者は当初、殺人容疑でリオのバングー刑務所に収容されていたが、携帯電話で外部と連絡を取っていたことなどが判明して移送された。
11人中5人は、未成年者を勧誘した容疑でも告発されている。
これらの容疑は、携帯電話のワッツアップや、インターネットを通じて行われた会話によって裏付けられた。容疑者の大半は、イスラム教に改宗している。
今回の告発は、2016年11月から今年3月まで秘密裏に行われていた、「アチラ作戦」と銘打った捜査が基になっている。捜査開始のきっかけは、スペイン当局が検察庁に、「ブラジルの電話番号を使い、ワッツアップでISILとの連携を試みる不審な会話の痕跡を見つけた」と報告してきたことだった。
同作戦での捜査によると、この集団はワッツアップを通じてシリアやトルコ、リビアなどで活動を展開するISILを賛美し、「ブラジルでも携帯電話でつながったテロ集団を結成しよう」などと話していたという。
この集団は「エスタード・ド・カリファード・ノ・ブラジル」と名づけられ、43人のメンバーがいたとされる。スペインからの情報だと、ワッツアップを使うISIL絡みの集団の中には、200人以上が参加するグループもあるという。
また、逮捕中のジョナタン容疑者と、ペルー人のブリアン・アルヴァラードなる人物が交わしていた会話では、今年2月のカーニバルに、リオやサルバドールのどちらかを狙ってテロ行為を起こしてはどうかと相談していた記録も残っていたという。
ブライアンなる人物によると、2都市でのテロ計画は、2017年にロンドンで起き、8人が死亡したテロにヒントを得たものだという。
また、ウェリントン容疑者の携帯電話からは爆弾の作り方を書いた文書も見つかっている。