【既報関連】ブラジルで北朝鮮の金正恩委員長らの偽旅券が発行されていた問題で、日本は1998年に既にブラジルに調査を依頼していた事が明らかになったと17日付ブラジル国内サイトが報じた。
BBCブラジルが入手した情報によると、日本は1998年1月に、北朝鮮人9人が1990年代のはじめ(90~93年)にブラジル発行の偽旅券を使用した疑いがあるとして調査を依頼している。
これに対し、ブラジル連邦警察は2000年8月に、北朝鮮人達が使った、連番CDの旅券はリオの連警が発行したもので、回収、破棄されなければならないとの文書を発行している。だが、この文書がどこ宛だったかは定かではないという。
金委員長が最初に使った偽旅券は、1990年8月に、1983年サンパウロ市生まれのJosef Pwagとしてリオで発行されたCD791247番のものだ。金委員長はこの旅券で、1991年に日本を訪問した他、香港やブラジルも訪れたと見られている。
金委員長の旅券は、1996年2月26日付でチェコのプラハで更新された。この時は、父親の金正日総書記の偽旅券も作られている。ただし、金委員長の父の名前はRicardo Pwag、金総書記の名前はIjong Tchoiとなっており、親子関係は表面に出ないようにされている。
リカルドとイジョングの二人の名前は、1995年にチェコに創設された企業の共同経営者4人の内、2人の名前にも使われているという。
米国のケン・ガウス氏の著書によると、チェコに開設された企業は、北朝鮮が外国資本を同国に持ち込むための手段として創設された企業の一つで、金親子や側近らは偽名を使って企業を開設すると共に、諸国を移動していたと思われる。
また、企業開設や旅券の調達は、金総書記の右腕で何でも屋のPak Yoong―muが行っていたともいう。
ブラジルでのその後の捜査の進展や、日本に情報が還元されたかは明らかではない。だが、90年代の旅券発行業務はデジタル化されておらず、不正も行い易かったが、現行システムは改善されており、偽造旅券が横行する国のリストには名前が出なくなっているという。
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