【既報関連】ブラジル中銀は15、16日に行われた通貨政策委員会(Copom)で、経済基本金利(Selic)を年6・5%で据え置くことを全会一致で決定したと、17日付現地紙が報じた。
中銀は金利据え置きと同時に、一昨年10月に始まった金利引き下げの流れに区切りを付けることも示唆した。最近のドル高レアル安の流れを見て、Selicをこれ以上引き下げる必要はないとCopomは判断したようだ。
16日の為替は1ドル=3・67レアルと、およそ2年1カ月ぶりのドル高で引けた。昨年末は1ドル=3・31レアルだったので、年初から5月16日までの上昇率は10・9%だ。
金利据え置きはブラジルの金融業界には驚きを持って受け止められた。事前予測では、0・25%ポイント引き下げの声が大半だったためだ。
関係者からは「ドル高が影響した。ドル高はインフレ要因なので、慎重策は理解できなくもない」とか、「ゴールドファジン中銀総裁が一週間前に、『ドル高懸念はあるが、インフレが高まっていない事、景気刺激策が必要な事を中心に考えるべき』と、利下げを示唆する発言をしていたのに、結果は据え置き。中銀内の意思疎通に問題があるのでは?」との声もあがっている。
中銀は16日に、今年3月の経済活動指数(IBC―Br)が前月比でマイナスだった事と、今年第1四半期のIBC―Brも直前期の昨年第4四半期比でマイナスだった事を発表していた。
昨年末には「18年の国内総生産(GDP)成長率は3%?」との声も出ていたが、14日に発表された中銀の週次経済予測集フォーカスでも、今年の成長予想は、2・7%から2・51%へ下方修正されている。
「経済を上向かせるためにも利下げを」と関係者は望んでいたが、16日までの直近4取引日でのドルの上げ幅が3・71%だったことが方針転換をもたらした。
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