連邦警察が17日、労働者党(PT)党首のグレイシ・ホフマン上院議員が、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)にまつわる汚職工作で合計88万5千レアルの収賄を行った疑いがあるとの報告書をまとめ、最高裁に提出した。また、同党所属の元官房長官ジョゼ・ジルセウ被告の控訴が連邦第4地域(TRF4)で却下され、メンサロン事件に続き、再度の服役となることが決まった。18日付現地紙が報じている。
連邦警察のリカルド・ヒロシ・イシダ捜査官によると、支払は5度にわたって行われたとされ、そのうちの4度は、グレイシ氏の夫のパウロ・ベルナルド氏が企画相だった時代に、ソフトウェア企業のコンシストから行われた。同社はLJのクスト・ブラジル作戦の捜査対象になっていた。
連警の調べによると、コンシストは2010年から15年にかけて企画省に10万レアルの委託貸付を行ったことになっている。ベルナルド氏は10~11年に企画相をつとめている。だが、同社から押収された支払票などの捜査を進めていくうちに、ベルナルド氏とグレイシ氏の2人と、彼らに関係する人物が、コンシストから合計700万レアルを受け取った疑いが明らかになってきたという。
5件目の支払はTAM航空から行われ、その額は30万レアルとされている。この件に関する物証も、クスト・ブラジル作戦で押収された。
この金は2010年にグレイシ氏がパラナ州知事選挙に出馬した際の賄賂として支払われた疑いがあるという。
5度にわたる支払にはいずれも弁護士のギリェルメ・ゴンサウヴェス氏が関与しており、グレイシ氏は収賄と資金洗浄、文書偽造の罪に問われる可能性が強い。また、コンシストは、ベルナルド夫妻の個人的な経費も支払っていた疑いがある。
グレイシ氏とベルナルド氏は既に、2010年のパラナ州知事選で、ペトロブラスの事業絡みで100万レアルの賄賂を受け取ったとして起訴され、最高裁の被告となっている。
グレイシ氏はジウマ政権時代の官房長官だが、ルーラ政権時代の官房長官はジョゼ・ジルセウ被告だ。彼はLJでの収賄と資金洗浄、犯罪組織形成容疑に関し、30年9カ月という実刑判決への2度目の異議申し立てを2審となるTRF4に対して行っていたが、17日に正式に却下された。
2審目で有罪判決が画定したことにより、パラナ州連邦地裁のガブリエラ・ハルト判事は即刻、18日午後5時までにブラジリアの連警に出頭するよう、ジルセウ被告への逮捕命令を出した。
ジルセウ氏は18日昼過ぎに連警に出頭。本人はブラジリアでの服役を希望だが、法医学研究所での身体検査後は、一時的にパプーダ刑務所に収監された後、クリチバに移送される予定だ。同氏の服役はメンサロン事件に続くもので、LJでも2015年8月~昨年5月に続く2度目の投獄となる。