ブラジルは2014年に定められた国家教育計画(PNE)で、「2015年末までに15歳以上の国民で、基本的な文章が読み書きできない人の割合(文盲率)を6・5%以下にする」という目標を定めたが、目標期限から2年経った17年末も、文盲率は7%だったと18日付現地サイトが報じた。
文盲率7%は、国内に文盲者が1150万人いる事を示している。文盲者は、北部、北東部在住者、60歳以上、黒人もしくは褐色というプロフィールを持つ人々に多かった。
調査コーディネーターのマリーナ・アグアス氏は、若年層は老年層に比べて就学率も高い上、高齢になるほど死亡率も高くなっていくため、文盲率は年を追うごとに自然に小さくなっていくが、公共行政が教育に注力することで、より一層の文盲率の引き下げと、識字率の引き上げに寄与できるとした。
調査結果はブラジル国内に地域間、人種間格差が存在する事を浮き彫りにした。例えば、白人の文盲率は4%で、黒人もしくは褐色の人の文盲率は9・3%だった。
地域別に見た場合、3・5%の南部、3・5%の南東部、5・2%の中西部は、目標の6・5%をクリアしているが、北部は8%、北東部は14・5%だった。
国内の教育レベル改善に寄与しているとされるのが、青年成人向け教育(EJA)だ。EJAは、幼い頃から家業を手伝わざるを得なかったなどの理由で、通常の就学年齢で初等・中等教育を受けられなかった青年、成人向けに公立校が教育の場を提供するもので、「読み書き」を教えるコースの受講生も多い。