《ベネズエラ》マドゥーロが大統領再選=国民の過半数は未投票=超インフレと圧政続行へ=ブラジルら諸外国は承認せず

20日、ベネズエラで大統領選が行われ、現職のニコラス・マドゥーロ氏が稀に見る低い投票率と不正疑惑、国内外での選挙実施反対のある中で当選を果たした。だが、政情不安に加え、1万%を超えるインフレもあり、ブラジルを含む諸外国からの結果承認拒否は必至となった。20日付現地紙が報じている。
20日実施の選挙の結果、マドゥーロ氏は有効票数の68%の票を獲得し、対抗候補のエンリ・ファルコン氏の21%やハビエル・ベルトゥッチ氏の10%を大きく上回った。
だが、今回の大統領選挙では、前回選挙で僅差で敗れたエンリケ・カプリレス氏の最大野党連合の民主党統一会議(MUD)が一方的に選挙違反をつきつけられた上、同連合もボイコットして選挙に参加していないなどの理由で、投票率はわずか46%に止まった。
同国では、15年12月に与党側が議会選挙で3分の1しか取れずに惨敗したにもかかわらず、マドゥーロ大統領が反政府派の弾圧を強め、検察の許可を得ない政治家の不当逮捕などを行った。また、現政権への抗議運動を行った国民の死も数百人規模に及んだ。
さらに、ただでさえ、議会の法案が前任のチャベス大統領に選出された大統領に忠実な最高裁から却下され続けていたことに加え、昨年は制憲議会も発足。マドゥーロ氏の支援者が大多数を占める制憲議会発足に伴い、議会の存在が骨抜きにされたことで、マドゥーロ政権の独裁化は決定的なものとなった。さらにマドゥーロ氏の汚職を追及しようとしていた検察庁長官も解任され、国外に亡命した。
この選挙では、敗れたファルコン氏がマドゥーロ氏側を「投票すれば1千万ボリバル払うと約束した」として選挙違反を訴えている。この1千万ボリバルは同国の最低賃金の4倍に当たるが、ここ最近のハイパー・インフレの結果、闇市場での通貨価値はわずか12米ドルに過ぎない。同国では現在、肉1キロが3ドルだ。
こうした政情不安とインフレが原因で、同国では亡命者が続出。最近ではブラジルでも、同国との国境にあたるロライマ州での移民急増が問題となっている。また、同国の根幹産業の石油が、マドゥーロ支持者の素人が公社の総裁となったことも手伝い大暴落。この選挙での悪印象も重なり、インフレ率は1万3千パーセントに到達との声もある。
ブラジルならびにラ米13カ国の政府はこの選挙結果を認めず、21日に同国から大使を召還する意向を表明した。現状でこの選挙結果を認めている国はロシアとイラン、ボリビアのみで、欧米でも公認を拒否する国が相次ぐと見られている。