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《ブラジル》MDBがメイレレス氏を大統領候補に=テメル氏の出馬断念により=MDBには内部分裂の危機

22日の記者会見で(Antonio Cruz/Agência Brasil)

22日の記者会見で(Antonio Cruz/Agência Brasil)

 22日、大統領選出馬を断念したテメル大統領が記者会見を開き、エンリケ・メイレレス前財相を民主運動(MDB)の大統領候補にすると宣言した。だが、この選択はMDB内でも反対が多く、内乱の要素をはらんでいる。23日付現地紙が報じている。
 記者会見はリオにあるMDBの拠点のひとつ、ウリセス・ギマリャンエス記念館で行われ、テメル氏はメイレレス氏を「間違いなく、最良の中の最良の大統領の選択肢だ」と紹介した。
 テメル氏はこの席で、自身が大統領選出馬を断念したことについては発言しなかった。同氏には出馬への意欲はあったものの、国民からの支持率がわずか1%の低率で、一向に向上しないことから諦めていた。
 テメル氏は、メイレレス氏を「わが国唯一の中道候補だ」とも呼んだ。
 さらにMDBのロメロ・ジュカー党首も「ほかの中道党との連立もこれから交渉し、6月までに中道勢力を大きくしたい」と語った。
 だが、現状では、下院議長のロドリゴ・マイア氏(民主党・DEM)や前サンパウロ州知事のジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)は既に積極的に連立を組んでおり、突き崩すのは難しい状況にある。
 また、メイレレス氏の大統領候補指名には党内部でも強い反対がある。そもそも、メイレレス氏はこの4月まで、社会民主党(PSD)所属で、同党から大統領候補の公認が得られなかったために、独自候補をめぐって迷っていたMDBに駆け込みで移籍してきた経緯があった。
 ただ、「景気回復の立役者」という売り文句にも関わらず、世論調査での支持率はわずか1%に過ぎない。また、「アウキミン氏の副候補で連立してはどうか」との党内の薦めにも頑として首を縦に振らなかった。
 既に、アラゴアス州、セアラー州、パラナ州、サンタカタリーナ州など九つの党内支部がメイレレス氏を党の大統領候補にという案に反対を表明したとも言われている。さらに、この日の会見にはエウニシオ・デ・オリヴェイラ上院議長、レナン・カリェイロス前上院議長、ロベルト・レキオン上議といった党の大御所たちは参加しなかった。レキオン氏に至っては、「自分が大統領選に出馬したい」と反乱まで起こしている。
 MDBはイタマル・フランコ大統領時代から、約25年にわたって与党側に属しているが、メイレレス氏で敗れるとそれが危うくなる。