《ブラジル》PSDBメンサロンのアゼレード被告、遂に服役=実刑20年の元MG州知事=事件発生から20年を経て

「民主社会党(PSDB)のメンサロン」と呼ばれた汚職スキャンダルの主犯、ミナス・ジェライス州(MG)元知事のエドゥアルド・アゼレード被告が23日午後、前日出た逮捕命令に従って出頭。20年1カ月の服役についた。24日付現地紙が報じている。
事件そのものは、20年前の1998年に起きた。95年からMG知事を務めていたアゼレード氏は再選に向けたキャンペーンを行っていたが、その際に広告業者のマルコス・ヴァレーリオ氏を介して、州水道公社(COPASA)や電力公社(CEMIG)、インフラ公社(COMIG、現在の経済開発公社CODEMG)、州立銀行(BEMGE)からの公金の横流しが定期的に行われた。これらの金は農業銀行に預け入れられたが、ヴァレーリオ氏は同銀行に働きかけ、自分の会社に不当な融資をさせることによって選挙資金を得ており、資金洗浄に問われていた。
結局、アゼレード氏はこの州知事選挙で元大統領のイタマール・フランコ氏に敗れている。
この事件が正式に発覚したのは2007年で、アゼレード氏は起訴された。だが、同氏は2003年から上院議員を務めていたため、裁判の扱いは最高裁となっていた。
最高裁が起訴状を受理したため、アゼレード氏は同年に最高裁の被告となった。だが、最高裁で法的特権(フォロ・プリヴィレジアード・FP)を受ける政治家は多く、裁判に至る前に2010年の選挙となり、同氏は下院議員に当選した。
最高裁での裁判がなかなか行われず、「ようやく裁かれるか」となった14年2月、アゼレード氏は下議を辞任した。これでFPは外れたが、最高裁での1回の裁判より、地裁からはじまる複数の裁判を受けられる道を選択した形となった。
アゼレード氏は2015年12月のMG地裁、17年8月のMG高等裁で2度とも有罪判決を下された。同氏は第2審の判決に対する控訴を行ったが、それが今月22日に却下されたことで、判決通り、20年1カ月の実刑が確定した。
この「PSDBのメンサロン」とも呼ばれた贈収賄工作による実刑判決で服役するのはアゼレード氏が初めてとなる。
FPは今年5月の最高裁の審理で「連邦議員の法的特権は、議員の任期中に起き、職務に関連する事件のみ」に限定されており、現行基準なら、この件は最初から地裁に回されるはずだった。
アゼレード氏はベロ・オリゾンテの自宅から1キロほど離れた消防署の特別室で、手錠や囚人服の使用なしで服役する。