ロシアW杯まで、残すところあと19日。6度目のW杯制覇を目指すブラジル代表は、21日からリオ州テレゾポリス市の合宿所で一次キャンプを行っている。
グランジャ・コマリーの愛称で知られる合宿所には、選手の姿を一目見ようとブラジル各地からファンが訪れ、大会直前の雰囲気も、一層盛り上がっている。
黄色と緑のセレソンカラーに身を包んでやってきたファンの集団には、ほぼ必ずと言って良いほど、子供や、ティーンの姿がある。彼らは両親に連れてこられてやってきたか、近くに住んでいて、独りでやってきたかのいずれかだ。
「きっと今大会は優勝するよ。チッチ監督のチーム作り、選手の連携はバッチリさ」と語るペドロ・カルドーゾ君(13)は、選手たちに会うことこそ叶わなかったが、大勢のTVレポーターの近くで、彼らの仕事ぶりを見られただけでも満足していた。
大学生のマテウス・ピニェイロさんは、「ブラジル対フランスの決勝が見たい。6度目の優勝まっしぐら、胸に六つの星がつくのさ」と語った。彼も選手たちには会えなかったが、当地を訪れていた元ブラジル代表選手のサッカーコメンテーター、デニウソンやダダ・マラヴィーリャに会えて興奮していた。
テレゾポリス市から100キロほど離れた、トレス・リオス市から息子のリシャルジ君を連れてきたアレッサンドロ・パッソスさんは、「絶対優勝しなきゃ。ネイマールとガブリエル・ジェズースに期待。その他にも多くの選手たちがレベルの高い欧州の一流チームに所属しているから、対戦相手の特徴も分かっているはずだよ」と語っていた。
「本命はアルゼンチン、ブラジルは準優勝」と驚きの発言をしたのはグスタヴォ・オリヴェイラ君(11)だ。テレゾポリスに住む彼は、もちろんアルゼンチン人ではない。子供特有の天邪鬼ぶりを発揮した彼には、一緒にいた友達も冗談交じりに文句を言ってふざけていた。
24日には、選手として1958、62年優勝、監督としても70年優勝を果たした、ブラジルサッカー界の生きる伝説、マリオ・ザガロがキャンプ地を訪れ、監督や選手を激励した。
怪我からの回復具合が心配されるエースネイマールも急ピッチでコンディション調整に励み、既にボールを使ったトレーニングも開始している。
21日からのブラジル一次キャンプも27日には打ち上げを迎え、二次キャンプの地ロンドンに向かう。そこで26日のチャンピオンズリーグ決勝出場組3人と合流したブラジル代表は、いよいよ、6月17日の初戦に向け、調整ペースを高めていく。