ブラジルには、大西洋岸の北部から南部にかけて分布し、一部はパラグアイ、アルゼンチンにまで至る森林地帯、大西洋岸森林(マタ・アトランチカ、以後「MA」)が存在する。
国立宇宙調査研究院と、SOS・MA財団の共同調査、「MA再生地図帳」によると、2016/17年期のMAの伐採面積は、15/16年期比で56・8%減少した。
16/17年期の伐採面積は、現存するMA全体の1620万ヘクタール(ha)の千分の1以下である1万2500haで、15/16年期は2万9千haだった。MAが今も残っている17州の内、7州の伐採面積は5~116haで、事実上、伐採ゼロとなる。
SOS・MT財団のマルシア・ヒロタ氏は、「MAは、ブラジル国内の大森林の中で唯一、明確にその保護を規定した法律が存在する。当局の監視も有効だ」と、MAの保護活動が機能している理由を分析した。
SOS・MA財団によると、本来のMAはブラジルの国土全体の15%を占めていたが、数世紀に及ぶ開発で、現在は国土の1%しか残っていない。92%は既に伐採されたことがわかる。
ヒロタ氏は、「サンパウロ州の場合、現在も残っているMAは、山岳地帯で開発が不可能。平地の森はほとんど残っていない」と語った。
それでも、伐採減少自体はポジティブで、今後望まれるのは、自治体や公的機関などが森林保護や植林を促進させるような施策をとることと、ヒロタ氏は語っている。(25日付エスタード紙より)