2005年ごろから10年間、サンパウロ州食料保管センター公社(通称セアザ、Ceagesp)で組合役員を務めた井上久弘さん(80、二世)は、「セアザが空っぽだよ。いままででこんなことは一度もなかった。セアザの関係者から話を聞いたが、野菜も魚も新しく入荷しないので、古いものを売るしかない。値段も高くなっている」と話す。
コガ・オズワルドさん(58、2世)はミナス州からにんじんを仕入れてセアザで販売している。「36年間ここで働いているが、こんなことは今までなかった。木曜日にいつも仕入れる量の5%だけ届いたが、その日のうちに売り切れてしまい、それからは売るものがない。スーパーが主な客だが、売ることができず申し訳ない」と話した。
「明日にはにんじんが届くと聞いている。無事に届くことを祈る」と語り、まさにこのままではお手上げの様子だ。
「日本では震災のときにみんなが物資を持ち寄って助け合ったでしょう。ここでは困っているのに乗じて便乗値上げしている人たちが多いから、日本とは大違いだね」とあきれた様に語った。
豆や香辛料を取り扱うカゲヤマ・アサコさん(53、二世)は、「野菜や香辛料はサンパウロ州内から少し入っているみたい。でも果物はバイーアやリオから仕入れているから、全然ない」と話した。