21日から続き、ブラジル国内に混乱を巻き起こしていたトラックストは、28日夜に、スト継続を望んでいるのが「軍事介入による政府打倒」を求めているトラック運転手や、運転手のふりをしてもぐりこんだ過激派社会団体の人たちであったことが大きく報じられたのと前後して勢いを落とし、トラックによる全国各地の国道封鎖も解除されてきている。だが、スト継続を望む狂信化した人たちが、解放されたトラック運転手たちを襲う事件が相次いでいる。
30日午前、サンパウロ州のレジス・ビッテンコート高速道では、同州のエンブー・ダス・アルテスでの道路封鎖に参加していた運転手のトラックが、居住地であるサンタカタリーナ州に帰ろうとしていた際、前を走っていたオートバイに乗る男性から突然フロントガラスに石をぶつけられる事件が起きた。
運転手が投石によって負傷することはなかったが、突然石をぶつけられたショックでバランスを崩し、車は横転した。
また、同日午後、ロンドニア州ヴィリェナの国道364号線で、スト継続を求めて抗議行動をしていた地域住民が、同道を通りぬけようとしたトラックのフロントガラスに石を投げつけた。
その石はフロントガラスを突き破り、運転手の頭を直撃。運転手は病院に運ばれたが、石を受けたショックで死亡してしまった。
警察によると、現場付近の住民は抗議行動に参加し、抗議地点を通過するトラックに投石を加えるよう呼びかけられていたという。連邦道路警察と軍警は現場付近を隔離し、市警による鑑識作業の便宜を図ると共に、現地の状況を見守っている。
さらに29日、パラナ州の道路警察によると、同州西部のカスカベウで、「誘拐されるようにスト参加を強制された」という運転手から供述を受けたという。
その運転手は通りかかった警察に会うなり、「本当に助かった。あなたは天使だ。もう何日も食べ物もろくに与えられずにずっとここにいさせられていたんだ。連れてきたのは、運転手仲間ではない連中だ」と語ったという。
運転手でもない社会活動団体の構成員が今回のストに入り込み、極右のトラック組合員が運転手を脅迫してストに参加させたことは既に報じられている事実で、29日にはマラニョン州で、道路を封鎖していた非トラック運転手7人が逮捕されている。(30日付G1サイト、30日付TNオンラインなどより)
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