国家医療サービス監督庁(ANS)は4日、契約者からサービスの質に関する苦情が出ているとの理由で、12社の保健プラン会社の31プランを、期間限定で販売停止としたと、同日付現地サイトが報じた。
「保健プラン」とは、顧客が保健プラン提供会社に月会費を払うことで、特定の医療機関での医療が受けられるサービスの事だ。顧客が払うのは月会費だけで、診察の際にお金を払わなくてもよいプランと、月会費とは別に病院などに治療費を払うプランがある。
ブラジルでは、こうした民間の保健プランに入っていないと、公的医療機関に頼らざるを得ない。公的医療機関は基本無料だが、診察や検査、手術の順番待ちは膨大な時間になり、待っている間に死亡してしまうケースもある。
31プランの販売停止は8日から始まる。対象となる保健プランの契約者11万5900人は引き続き医療サービスを受けられるが、保健プラン提供会社は、サービス改善が認められない限り、新規契約(顧客の獲得)は出来ない。
ANSの保健プラン担当者は、「問題があるケースは多々あるが、保健プラン提供会社は、全体としてはサービスの品質改善に努力してきたと言える。品質を保つ事で、保健プランは本来の目的を達成する事が出来る。ANSによる監視は、保健プラン提供会社にとってプランが正常に機能しているか否かを知る機会を与えているのだ」と語っている。
今年1月から3月にANSが受けつけた、「契約通りに医療サービスが受けられない」という苦情は1万5655件に上る。苦情の97%はANSの仲介によって解決したとしている。