ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》大統領選候補を絞る動き本格化=左派ではマヌエラが出馬断念=乱立状態収束させたい中道

《ブラジル》大統領選候補を絞る動き本格化=左派ではマヌエラが出馬断念=乱立状態収束させたい中道

大統領選への出馬断念を表明したマヌエラ氏(Ricardo Stuckert)

大統領選への出馬断念を表明したマヌエラ氏(Ricardo Stuckert)

 10月の統一選候補擁立に向けた各党の党大会がはじまるまで1カ月半を残すのみとなり、候補乱立状態の大統領選で、左翼、中道の中に候補一本化への動きが出はじめていると5日付現地紙が報じている。
 4日、ブラジル共産党(PCdoB)の大統領候補だったマヌエラ・ダヴィラ氏が、「左翼票をまとめるために自分の出馬をあきらめる」と表明した。
 ただ、現地紙によると、PCdoBが連立を望んでいるのは、マヌエラ氏が積極的に擁護運動に加わっていたルーラ氏(労働者党・PT)ではなく、シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)だという。同党の見解では、現在、収賄などで受刑中で、出馬の可能性が低いルーラ氏を推すPTの姿勢には疑問があるという。
 シロ氏には、元最高裁判事のジョアキン・バルボーザ氏の出馬を断念したブラジル社会党(PSB)や、ジウマ政権の閣僚だったアウド・レベロ氏を候補としている連帯(SD)も連立に加わる可能性があるという。
 また、それぞれの独自候補を擁立した中道政党も、ジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)やエンリケ・メイレレス氏(民主運動・MDB)との連立を組まざるを得ない状況になりつつあるという。
 メイレレス氏を擁立するMDB所属で連邦政府広報役のカルロス・マルン氏は、「連立しなければ負ける。それだけのことだ」と強く言い切り、現時点での国民の支持率は1%と低率ながらも、メイレレス氏への連帯を呼びかけている。
 アウキミン氏やメイレレス氏との連立については、ロドリゴ・マイア下院議長を擁する民主党(DEM)やアルヴァロ・ジアス上議のポデモス、企業家のジョズエー・ゴメス氏擁立を目指している共和党(PR)が可能性を残している。その点については、右派候補で企業家のフラヴィオ・ロシャ氏を擁立するブラジル共和党(PRB)も同様だという。
 中道候補の中ではとりわけ、マイア氏に「中道票をまとめたい」という意思が強い。下院議長の立場で協力体勢を作っていた進歩党(PP)やPR、PRBなどをまとめたい意向があるようだ。
 アウキミン氏はセントロン勢力の中の社会民主党(PSD)や、ブラジル労働党(PDT)、社会大衆党(PPS)などとの連立が有力視されている。
 なお、人気候補のジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)やマリーナ・シウヴァ氏(REDE)との連立を目指す動きは乏しい。