《ブラジル》燃料価格調整の頻度を変更へ=「原油相場に応じて決定」は維持=月1度の調整との声も=ガソリンへの補助金は考えず

【既報関連】ペトロブラス社(PB)のペドロ・パレンテ前総裁が辞任して6日が経過。前総裁が保持してきた経営の独立性に陰りが生じ、同社のガソリン、ディーゼル油、家庭用ガスなどの価格調整方法が変更される事が濃厚になったと、6日付現地紙が報じた。
PBの価格調整方法の主軸は「原油相場や為替に応じて決める」「必要に応じて毎日でも価格を調整する」の二つで、変更が濃厚とされているのは、後者の「価格調整を行う頻度」だ。
ブラジル国家原油庁(ANP)は5日、6月11日から7月2日まで公聴会を開き、燃料価格の調整頻度の変更に関する議論を行うと発表した。
昨年7月、PBは「ガソリン、ディーゼル油、家庭用ガス燃料などの価格を、原油の国際相場や為替相場に基づき、毎日見直す」方針を決めた。それが燃料価格高騰を招いたため、5月21日からは、ディーゼル油高に憤ったトラック運転手による全国ストも起きた。
政府側は直接の働きかけを否定しているが、スト発生直後から、「価格調整方式こそが混乱の原因」との圧力がPBにかかっていた。パレンテ前総裁は経営の独立性を維持し、調整方法堅持を主張し続けたものの、遂に辞任した。
PBは、価格を決める自由は持ち続けるが、調整頻度は自由にならない見込みだ。一部では1カ月毎の調整との声もあるが、デッシオ・オドーニANP長官は、「社会の要請に応えたもの。国際原油相場に応じて調整する方式は変えない」としている。
現在のディーゼル油価格は1リットル=2・0316レで凍結されているが、ガソリン、家庭用ガスなどの他の燃料価格は毎日のように調整されている。ガソリンで見ると、6月6日の価格は1リットル1・9706レで、5月1日の価格と比較しても8・29%上昇している。
PBは、「懸案事項に協力する。国際原油相場に応じて調整する方式が保たれた事が重要」と書面で発表した。
政府は、スト収束のためにディーゼル油価格を下げるための補助金支出を決めたが、ガソリン価格に関しては同様の措置をとるつもりはない。エドゥアルド・グアルジア財相は5日、「ガソリン価格を下げるための補助金は議論にも上がっていない。国家財政にはそんな余裕は全くない」と語っている。
また、スト終結の条件として、公定輸送費の最低価格引き上げもトラック業者に約束したが、全国農業連合(CNA)からは、新しい最低価格がそのまま通れば、農作物の輸送費が最大で1・5倍に膨らんでしまうとクレームが出ている。
政府が約束を実行できるかは不透明だが、トラック運転手たちを束ねる全国運輸連合(CNT)のイヴァール・シュミッチ氏は、「輸送費の最低価格引き上げが実行されなければ、前回よりもさらに酷いストが起こる」としている。